「短所が長所に見える」最高の伴侶の見つけ方 36歳野心家OLが探し当てた「同族のお相手」

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わずか2カ月の成婚退会である。現在、秀子さんは愛情深い光正さんとの新婚生活を大いに楽しんでいる。

「何でも腹を割って話し合える関係です。お互いに思ったことをボンボン言うのでケンカになることもあります。でも、すぐに仲直りします。家族としての一体感がすごいんです」

いちばんそばにいるからこそのアドバイス

向上心が強い秀子さん。光正さんからは、組織人としての処世術も学んでいる。会社での言動を彼に話すと、「君は悪い意味で素直すぎる」と諭された。

自信家の上司がいたとする。秀子さんは尊敬できず、彼の欠点をみんなの前で指摘してしまう。光正さんは「〇〇さんってすごいですね、と言っておけばその場が丸く収まることもあるよ」と教えてくれている。愛情と信頼で結ばれた結婚相手だからこそのアドバイスだと思う。普通の友人関係では、「君は悪い意味で素直すぎる」とまでは言えない。

子どもに関しては、「自然に任せる」という共通認識だ。妊娠できたらいいとは思うが、2人きりの生活でも十分に満足している。自由な思考の持ち主である秀子さんと光正さんは養子縁組も視野に入れているという。

「当たり前ですが、私たち夫婦も血がつながっていません。でも、運命は結ばれていて家族になれました。同じように、親に恵まれなかった子どもと気持ちの面で通じることもできるのではないでしょうか」

2人はほかにも展望がある。秀子さんの夢である「民泊ビジネス」を関東地方の海辺でかなえることだ。光正さんの趣味はサーフィン。海での副業は望むところだ。いま、秀子さんと同じぐらいの熱心さで取り組んでいる。

自分では短所だと思っていたことを長所だと喜んでくれる人がいる。何でも話し合い、ケンカしてもすぐに仲直りする。そして、共通の目標のために力を合わせる。秀子さんと光正さんは「よき相棒」同士なのだろう。結婚とは、相棒の体温を傍らに感じつつ、しっかりと前を向いて自分の足で歩くことなのかもしれない。

大宮 冬洋 ライター

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おおみや とうよう / Toyo Omiya

1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリングに入社するがわずか1年で退社。編集プロダクション勤務を経て、2002年よりフリーライター。著書に『30代未婚男』(共著、NHK出版)、『バブルの遺言』(廣済堂出版)、『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵』『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(ともに、ぱる出版)、『人は死ぬまで結婚できる 晩婚時代の幸せのつかみ方』 (講談社+α新書)など。

読者の方々との交流イベント「スナック大宮」を東京や愛知で毎月開催。http://omiyatoyo.com/

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