悪いことは重なる。以前から折り合いの悪かった別の上司からのパワハラが強まった。さらに別の年上男性からは飲み会で「会社の男をたぶらかしているんだろう。お前は遊び人だから結婚できないんだ!」と罵倒された。完全なセクハラである。
「社内のセクハラ相談室に訴えて、その男性は左遷されました。でも、忘れることはできません。結婚していればあんなひどいことを言われなかったのに、と自分を責めてしまいました」
職場復帰と同時に結婚相談所に入会
原因不明の高熱が出るようになり、病院ではうつ病と診断された。そのまま休職し、4カ月間は自宅でボーッと暮らしていた。もともとエネルギッシュな秀子さんは元気になり、職場復帰をすると同時に、やや高額の結婚相談所に入会することに決める。35歳のときだった。
「結婚相談所に対しては、正直言って偏見がありました。日常生活では相手を見つけられない、モテない人だけが入っていると思っていたんです。でも、実際に入会して男性のプロフィールを見たら、年収800万円以上のすてきな人ばかりでした。どの人ともデートしてみたい、と思ったぐらいです」
結婚情報サービスは無数にある。秀子さんのように大企業に勤めていて収入も低くない女性が、自分と同等以上のステータスを持つ男性との出会いを求めるのであれば、「老舗」かつ「高額」の結婚相談所に入会するのが正解だと筆者は思う。高額の基準は、入会金や月会費を合せて30万円以上が目安だろう。これだけの金額を結婚相談所に使う男性は、経済的に余裕があり、なおかつ結婚に真剣であることが多い。
ただし、こうした相談所では男性のほうも女性のプロフィールを吟味する。秀子さんも担当者から「35歳という年齢はかなり厳しい。頑張ってください」と激励された。実際、自分からアプローチした12人の男性からはすべて「お断り」されてしまった。お見合いすらできなかった。
現在の夫である光正さん(仮名、43歳)とは、彼のほうからアプローチしてもらってお見合いが実現した。外資系企業を渡り歩いてきた経歴を持つ光正さんは離婚歴がある男性だ。つねに新しい経験をすることを重視しており、嫌いな言葉は「現状維持」。女性に対しても、野心や積極性を求めている。秀子さんにはぴったりである。
「私がマイナスだと思い続けてきたポイントをプラスに評価してくれる男性に初めて出会いました。1人でバックパッカーをしていたり、海外に駐在していたことも、『オレは経験していないので教えてくれ!』という姿勢なんです。私と一緒にいると世界が広がる気がする、とまで言ってくれて……。すぐに告白されたので、『もちろんです!』と即答しました」
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