「スマートウォッチ」は革命もたらすか 課題多く企業は二の足

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9月3日、「スマートウォッチ(腕時計型端末)」はスマートフォンと同じくらい革命的な変動をもたらす可能性がある。写真はソニーのスマートウォッチ。ベルリンで昨年8月撮影(2013年 ロイター/Tobias Schwarz)

[シンガポール 3日 ロイター] - 「スマートウォッチ(腕時計型端末)」はスマートフォン(多機能携帯電話、スマホ)と同じくらい革命的な変動をもたらす可能性がある。腕に身に着け、体とデータ、自身と世界を結びつける高性能機器。しかし、それを成功させるだけの意思やビジョンを持った企業は少数にとどまっている。

挑戦の歴史は古い。時計メーカーなどは少なくともこの30年間、計算機やカレンダー、ワイヤレスデータ接続機能を腕に着けるストラップに付加してきた。

韓国のサムスン電子<005930.KS>は4日、ベルリンでスマートウォッチ「ギャラクシー・ギア」を公表するが、事情に詳しい関係筋は、ファッションアクセサリーとしての要素が強く、業界に大転換をもたらすような機器にはならないと指摘する。

ソニー<6758.T>もスマートウォッチを手掛けているが、一方でアップルやグーグルは開発への関心をわずかにのぞかせているだけだ。

スマートウォッチに期待する向きは、潜在力は大きいと指摘する。

クレディ・スイスによると、音声技術やバイオメトリクス、通信、クラウドストレージ、電力消費面での進化を受け、スマートウォッチなど身に着けられる機器の市場規模は2017年までに500億ドルに達する可能性がある。

英コンサルタント会社、ジェネレーター・リサーチのチーフアナリスト、アンドリュー・シーヒー氏は「現在のモバイルコミュニケーション方法を見れば、これで終わりではないことが分かる」と説明。多くの人は、機器を耳にあてたり、メールなどを確認するためにポケットから機器を取り出すのにわずらわしさを感じている、と指摘した。

スマートウォッチやデジタルアイウォッチ(眼鏡型端末)といった身に着けることが可能な機器により、体にセンサーを装着するなどすれば取得データを利用して「リアルタイムで極めて個人に特化した体験」(ヘッドセットメーカーのプラントロニクス社)が可能となるかもしれない。

技術的なハードル

ただ、スマートウォッチには技術的なハードルがある。例えばバッテリーだ。

ラックス・リサーチのモバイルエナジー担当アナリスト、Cosmin Laslau氏によると、スマホのバッテリーよりも5─10分の1に小型化する必要があるという。

ディスプレーの形状も改善する必要がある。

アップルとサムスンはともにカーブ状のグラスの開発に取り組んでいる。事情に詳しい関係筋によると、サムスンは今年だけでディスプレー向けに60億ドル超も投資しているほか、年内にカーブ状のモバイル機器を公表する計画だという。

また、ガートナーのリサーチディレクター、Angela McIntyre氏は、スマートウォッチはスタイリッシュでなければならない、と指摘する。

フィリップ・テクノロジーズのジョナサン・ピーチー最高経営責任者(CEO)は、子ども向けの製品開発に3年間取り組んだ。親はスマホを通じ、スマートウォッチを身に着けている子どもの所在を確認したり、子どもと会話したりすることができるようになるという。

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