国際政治にとって9月は「残酷な月」になる フランス、英国、米国、中国を襲う試練

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米国のトランプ大統領は共和党議員との関係が止めどなく悪化し、重要法案通過の可能性も急降下。歳出法案で9月に議会と合意できなければ、連邦政府は閉鎖に陥る。政権中枢メンバーは次々に辞任。自身のロシア疑惑に対する捜査も、すぐには終わらないだろう。

9月にはトランプ政権と中国が火花を散らすこともありえる。トランプ氏の保護主義とグローバル化への敵意によって、世界全体に暗雲が垂れこめている。だが、中国が自分勝手な経済ルールにのっとり行動しているとのトランプ氏の主張は、あながち間違いではない。

見過ごされてきた中国の暴挙

端的に言って、中国は自らが合意した世界貿易機関(WTO)のルールに従っていない。自国市場を国際競争から守り、外国企業に国内市場へのアクセスを認める際も、中国企業と合弁を組むか、知的財産を譲渡するよう求めてくる。

国際的な貿易ルールを無視するトランプ氏の言動ばかりが注目される中、見過ごされてきたのが、こうした中国の暴挙である。秋の党大会で習近平国家主席と共産党指導部は、中国には公正なやり方で経済成長を目指す強い意志があるとのメッセージを発するべきだ。そうなれば、9月の残酷さは多少なりとも和らぐだろう。

クリス・パッテン 英オックスフォード大学名誉総長

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Chris Patten

元英国保守党議員で最後の香港総督。欧州委員会外交専門部会委員、英オックスフォード大学総長を歴任。

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