北京五輪で注目のスピード、間髪入れずに三井物産が宣伝活動強化

北京五輪で注目のスピード、間髪入れずに三井物産が宣伝活動強化

北京オリンピックの余韻が残る8月28日から4日間、三井物産が東京・表参道で「Speedo(スピード)」ブランドのギャラリー展を開催中だ。

北京オリンピックの水泳競技では、英国スピード社製の競泳水着「LZR RACER(レーザー・レーサー)」を来たスイマーが世界新記録を連発、メダルをほぼ独占したことは記憶に新しい。日本では、五輪前に北島康介選手らがレーザー・レーサーを着用できるかどうかがワイドショーで大きく取り上げられた。

スピードブランドの日本でのライセンスを持つ三井物産は、お茶の間にまで知名度が広がったこの機会を逃さず、宣伝活動を強化することでブランドの一層の浸透を図る考えだ。

三井物産のコンシューマーサービス事業第一本部ブランドマーケティング事業部ブランド事業室の木原伸一室長は「5年後に上代で150億円規模のブランドに育てたい」と意欲的。現状のスピードブランドの売り上げ規模(上代ベース)は約40億円で、ほとんどがスイミング関連。バッグ、靴下、携帯音楽プレーヤーなども展開しており、150億円時にはスイミング以外を5割にしたいという。

欧州で行われているレーザー・レーサーの製造は、ほぼ手作業であるため1日70着。日本向けではなく、世界全体でこの数字だ。そもそも「レーザー・レーサーはF1の車のようなモノで、一般のスイマーが着用することは想定していない」(ゴールドウイン・アスレチックスタイル事業本部スピード事業部マーケティンググループの勝田悦弘マネージャー)ため、大きな売り上げを求められる製品ではない。

レーザー・レーサーと同じ生地を使った水着もラインナップしており、こちらはゴールドウインが日本で製造する。実際にはこうした水着を拡販していくことになるだろう。

スピードブランドは、長年、日本国内の水着・スイム関連商品でミズノがライセンス契約を結んでいた。が、水着で自社ブランドの確立を図りたいミズノと、水着以外にも積極的に展開したいスピード社の思惑の違いにより、両社の契約は2007年5月末で終了している(発表は06年12月)。ミズノの後に、日本でのライセンス契約を獲得したのが三井物産だ(水着・ゴーグル・アパレル等の開発・製造・販売はゴールドウインがサブライセンス契約)。

三井物産のブランドビジネスは、100%保有する「ハナエ・モリ」、ライセンス契約では「ピエール・カルダン」、イタリアのバッグブランド「マンダリナダック」等を手がける。ブランドビジネスでは伊藤忠商事が総合商社で圧倒的に強い。スピード効果でブランドビジネスで勢いをつけたいところ。

ブランドビジネスでは、日本で定着した後にブランドが直接、日本法人を設立。これまで苦労してきた総合商社が外されることがこれまでたびたび起こってきた。スピード社との契約は「契約上言えないが、相当長い期間」(木原室長)であり、当面外される心配はない。

ただ、伊藤忠商事が日本でのブランド権を買い切ったり、本国のブランドに直接出資(場合によっては買収も)するなどブランドビジネスの防衛策も行っていることから、今後の展開は気になる部分だ。「相手がある話なので何もいえないが、そうしたい(出資など)という思いはある」(木原室長)。まずはブランドをしっかりと育てて、ブランドビジネスでの三井物産の実力をアピールすることが先決となる。
(山田雄大 =東洋経済オンライン)

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