カンボジアで吹き荒れる「反対派弾圧」の全貌 政府に批判的姿勢を貫いた英字紙が廃刊に
近年来、カンボジアはASEAN外相会談で南シナ海問題が浮上するにあたって、あたかも中国の代理人のような役割を果たしてきた。その最たる例として、2012年、カンボジアが議長国を務める中で開かれたASEAN外相会談では、ASEANの歴史で初めて共同声明が採択できない事態に陥った。
予測どおり、中国側はケム・ソカ党首の逮捕というカンボジア政府の判断にポジティブな感想を述べた。外交部スポークスマン耿爽氏は次のように発言している。「カンボジアのよい隣人、よい友達、よいパートナー、そしてよい兄弟として、カンボジアが本国の国情に合った発展の道を歩むことを中国側は一貫して支持する」。
カンボジアのエリートは中国に依存
カンボジアを統治するエリートたちは、「アラブの春」の背後にアメリカがいると考えており、米国が国内で政権交代を企んでいるとの大きな疑念をもっている、とチアン・バンナリット氏は話す。また、「カンボジアの外交は経済利益と政権存続に基づいており、中国がまさにその両方を満たしてくれると信じている」と分析する。タイとベトナムという大きな隣国に対抗するためにも、中国は手を貸してくれると、カンボジアは信じている、という見立てだ。
前出のフルービー氏は言う。カンボジア・デイリーはニューヨーク・タイムズからモットーを借りて「すべてのニュ-スを恐れず、おもねることなく」を標榜していた。「でも、今はワシントン・ポストのモットーがもっと適しているみたい。つまり、『民主主義は暗闇の中で死ぬ』」。
東南アジアにおける米国のリーダーシップが薄れる中、在職32年のフン・セン首相は中国の統治者たちのルールブックを参照しているのかもしれない。
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