メルカリ「中毒」も現れる、フリマ市場の膨張 気軽な小遣い稼ぎ、上場なら時価1000億円超

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しかし、この「手軽さ」ゆえに、違法すれすれの出品も後を絶たない。

偽ブランド品や虚偽の商品説明などのほか、過去には現金が「商品」として出品され、実際の額面よりも高い値段で取引が行われたこともある。借金の返済に迫られ早急に現金が必要な人が、クレジットカードのショッピング枠を現金化するために購入したと考えられている。

問題発覚後にメルカリは現金の出品を禁止したが、その後も1万円札を使った折り紙が「インテリア」として出品されたり、チャージ済みの交通系ICカードが出品されるなど、いたちごっこが続いている。

メルカリは全従業員約500人のほぼ半数をカスタマーサポートに充てているほか、違反出品の検出にAI(人工知能)を一部導入し、不正利用の監視を強化している。しかし、宛名が空欄や「上」となった領収書など、詐欺や架空請求などに使われる恐れのある商品が出たこともある。

悪質行為に対するメルカリの責任に関して、東京新生法律事務所の浜門俊也弁護士は「詐欺や違法行為を知りながら見過ごしているとすれば話は別だが、適切な排除努力をしている運営側が、詐欺幇助の疑いをかけられる可能性は低い」との見解を示している。

ただ、あるユーザーは「メルカリを完全には信用していない。値段が高い大きな買い物は、まだ出来ない」(前出の小嶋さん)と話す。

富士通総研経済研究所の研究主幹、浜屋敏氏は「大切なことはユーザーから『信頼』を勝ち得ること。問題を修正しサービスを改善させていこうとする方向性を示し、ユーザー離れを防ぐことが肝心」と指摘する。

プラットフォームビジネスの可能性

農家直販の朝採れ枝豆や漁港直送の海ぶどうなど、生産者と消費者が直接つながる形での利用も広まっている。「卸売業者や小売業者など、中間ビジネスがテクノロジーによって淘汰される時代になった。この流れは止まらない」とニッセイ基礎研究所・チーフ株式ストラテジストの井出真吾氏はみる。

経済産業省の推定では、日本国内の「フリマアプリ市場」単体の市場規模は約3000億円。しんきんアセットマネジメント投信の運用部長、藤原直樹氏は、上場となれば、メルカリに対する社会の視線は一層厳しくなるとしながらも「競合他社を巻き込んで、フリマアプリ市場がさらに膨らむ余地もある」とみている。

米国では、すでに2500万人がメルカリのアプリをダウンロード。今年3月にはイギリスでもリリースした。「まずは強力なライバルの多い米国で、いかにして早くユーザー数を増やすかが勝負となる」と、早稲田大学ビジネススクールの根来龍之教授は指摘する。

社名の「メルカリ(Mercari)」は、ラテン語で「商いする」を意味し、「マーケット(市場)」という言葉の起源とされる。

「現時点では同一国内のみで取引が可能だが、将来的には全世界のメルカリを結び、国境を越えた取引を出来るようにする」(メルカリ広報)──。

まだ、多くの課題を抱えるものの、日本発の個人間フリマアプリが世界に浸透すれば、そのプラットフォームビジネスの価値は1000億円では済まないだろう。

(小山耕平 編集:伊賀大記)

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