「心配性」な人がわかっていない本当の恐怖 ほかでもない自分自身の考えが問題を起こす

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心配や不安は、ストレスを感じているときや大きなプレッシャーを抱えているときに決まって忍び込んでくる、さまざまな不快な感情を引き起こします。

不安で仕方がない人には、次のような症状がよく見られます。

□ 抑えようのない恐ろしい考え
□ 憂鬱な気分
□ ひどい頭痛
□ 発汗
□ 動悸
□ 無力感
□ 強度の疲労感(過労)
□ 恐怖心(パニック)
□ 筋肉の緊張
□ 無能感

こうした症状が、攻撃性や不信感などの自己防衛的な態度につながる場合もあります。

ヘンリクは30歳くらいの男性で、スウェーデンのある大企業でエコノミストとして働いていました。結婚して4年になり、2歳の男の子がいました。

ヘンリクは人知れず、死ぬ心配ばかりしていました。ある日、胸に突然刺すような痛みを覚え、心臓発作に違いないと思い、すぐに病院へ行きました。でも、異常はどこにも見つかりません。こうしたことがその後半年間に何度も起こりました。

ヘンリクは、自分がなにか恐ろしい病気ではないかと思い始めました。背中に痛みを感じるとひどく心配になり、がんだと思い込んだり、頭痛が数日続くと、脳腫瘍に違いないと考えて恐ろしくなったりしました。

不安を押し殺すため、酒の量がどんどん増えるようになり、とうとう専門家の助けが必要だと気づきました。ヘンリクは不安症だったのです。

脳は実際の恐怖と想像上の恐怖の区別ができない

不安症は感情障害の一種で、恐れ、心配、緊張などの強い感情を特徴とする精神状態をいいます。実在する恐ろしいことから引き起こされる場合もありますが、たいていは想像上の恐怖から起こります。

問題は、恐怖が実際のものか想像上のものか、脳が区別できない点にあります。いずれの場合も体は同じように反応するのです。何かよくないことが起こるに違いないと考えると、「闘争か逃走か」の態勢を取り、アドレナリンを分泌して不安になります。

心配や不安は、ほかでもない自分自身の考えから生じているのです。周囲の人や世の中が原因ではありません。自分自身が、過去のことをくよくよ考えたり、先のことをあれこれ心配したりするから、問題が生じるのです。

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