「ドクターイエロー」引退の日が迫っている? 早ければ「来年の夏」にも可能性が

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まず考えられるのは、2020年3月末である。

JR東海は2013年のN700A導入を機に、従来のN700系全編成を改造してN700A並みの性能を持たせる「N700Aタイプ化」を進めている。その結果、N700Aの導入に合わせる形で、700系は東海道新幹線から退役することになる。JR東海は2019年度末、すなわち2020年3月末までに700系の置き換えを終えるという方針を2015年10月に発表している。また、JR東海の発表から約1年遅れとなる2016年12月、JR西日本もN700Aを追加投入して、東海道・山陽を直通する700系を2019年度末までに退役させると発表している。

東海道新幹線の全車両をN700Aタイプ化する理由は、「安全・安定輸送の実現と快適性の向上」である。中でも注目すべきは、営業最高時速270kmの700系がすべてN700Aタイプ化されることである。それによって、営業車両の最高速度が時速285kmで統一される。遅く走る列車がいなくなり、運行ダイヤに余裕ができるというメリットが生まれるのだ。

700系引退と同時に消えるか

ここで問題となるのは、ドクターイエローが700系をベースに製造されているということだ。現在のドクターイエローが開発された理由は、新幹線0系をベースに製造された先代のドクターイエローは最高時速が700系よりも遅く、ダイヤ編成に支障が出るというものであった。

これと同じことがN700Aタイプ化によって現在のドクターイエローにも起きようとしている。つまり、700系が東海道新幹線から引退する2019年度末に合わせてドクターイエローが引退することは十分考えられる。

2015年夏のJR東海浜松工場「新幹線なるほど発見デー」。ドクターイエローがクレーンで吊り上げられる場面は注目の的だった(撮影:尾形文繁)

今年1月、700系の「最後の全般検査」がJR東海の浜松工場で行われた。新幹線を含むすべての鉄道車両は全般検査というオーバーホールが義務づけられている。新幹線車両の場合は3年に1度あるいは走行距離120万kmに達した時点のどちらか早い時期に、車両からすべての部品を取り外して、細部にわたる徹底的な検査、整備が行われる。

JR東海によれば、700系の全般検査は「これが最後」。つまり、700系は遅くとも3年後の2020年1月に東海道新幹線から姿を消すことになる。700系の2019年度末の引退は、前倒しでカウントダウンが始まっているのだ。なお、700系の引退が営業車両だけでなくドクターイエローも含むのかどうかについては、JR東海は言及を避けている。

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