意外と不調?イケア・ジャパンの巻き返し策 8年ぶり大幅値下げでニトリ・無印を追う

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イケア・ジャパンのヘレン・フォン・ライス社長は大幅値下げや新商品投入で需要を掘り起こす考えだが...(写真:大澤 誠)

10月には愛知県長久手市に大型店として9店目になる店舗をオープンさせる。同じ愛知県にある弥富(やとみ)物流センターも、効率化によるコスト削減を目指して現在、拡張工事中だ。2018年中には完成するという。

さらに都心部での小型店出店を検討していることも明らかにした。イケアの目線の先にあるのは疑う余地もなくニトリだろう。

ニトリは都心部で出店ラッシュ

2017年6月にオープンしたニトリの渋谷公園通り店。渋谷駅ハチ公口から徒歩6分の好立地だ。(編集部撮影)

ライバルのニトリは目下、東京都心部への出店を加速している。2015年に銀座に出店したのを皮切りに、2016年に新宿、今年3月には池袋、6月には渋谷に出店。山手線沿線では既に8店舗を数える。

都心店は賃料が高いため、大型商品の配送は物流センターから行い、店頭在庫を極力削減。売り場効率を高めることで、高い賃料を吸収している。ニトリは「圧倒的に人が集まる山手線沿線には出店余地は大きい」(幹部)とさらなる新規出店を模索する。

イケアの既存店舗は郊外型が中心で、車での来店客を主なターゲットとしている。ニトリや無印良品の都心店のように、仕事帰りにふらっと家具や雑貨を衝動買いするような消費者のニーズには十分に対応できているとは言えない。消費行動が多様化する中、郊外の大型店で消費者を待ち受けるビジネスモデルは岐路に立たされている。

グループ全体では成長が続くイケア。日本でも成長軌道に乗せることはできるか。ライス社長は、「イケアがどのような商品を提供しているかを消費者に知ってもらうことが課題だ」と語る。とはいえ1号店のオープンからすでに11年。いつまでも認知度を課題にしてはいられない。

中山 一貴 東洋経済 記者

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なかやま かずき / Kazuki Nakayama

趣味はTwitter(@overk0823)。1991年生まれ。東京外国語大学中国語専攻卒。在学中に北京師範大学文学部へ留学。2015年、東洋経済新報社に入社。食品・小売り業界の担当記者や『会社四季報 業界地図』編集長、『週刊東洋経済』編集部、『会社四季報』編集部、「会社四季報オンライン」編集部、『米国会社四季報』編集長などを経て2023年10月から東洋経済編集部(編集者・記者、マーケティング担当)。「財新・東洋経済スタジオ」スタッフを兼任。

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