30分50円の「シェア自転車」は、流行するか 鴻海、テンセントも支援する中国企業が展開

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中国の若者を中心にモバイクが受けている理由は、その手軽さにある。

スマートフォンで近くにある自転車を探して予約し、車体にあるQRコードを読み取って開錠。利用後は手動で鍵をかける。開錠していた時間の分だけ課金される仕組みだ。料金は30分間乗ってわずか1元(約16円)。基本は乗り捨てだ。

また、中国では盗難が多発し、盗難車は返ってこないことが多い。自転車の「保有」には不安が大きいのだ。その点、バイクシェアは保有しないので、盗難の不安から解放される。

都内ではNTTドコモが先行している

モバイク向けにブレーキを納入する唐沢製作所の唐沢一之社長によれば、急成長の背景には中国の特殊な交通事情もあるという。

「駅から自宅や会社までの距離が日本とは違う。自宅まで1マイル(約1.6キロメートル)くらいあるのはザラだが、そこに交通網が整備されていない。最後のピースをバイクシェアが埋めた。中国は自転車王国で、駅前に
公共の駐輪場が十分に整備されているのも急拡大の要因だ」(唐沢社長)。

9月にはバイクシェアの競合である中国「ofo」(オッフォ)も日本に上陸する。2014年創業の新興企業だが、EC大手アリババなどが出資している。ソフトバンクグループの子会社と組んで、東京や大阪でサービスを開始する予定だ。

東京ではNTTドコモが先行する。千代田区など7区と組み、バイクシェアを展開している。「ドコモはあくまで自治体事業の受託。オッフォと競合はしないはず」とドコモ・バイクシェアの堀清敬社長は涼しい顔で語る。

ただし、創業から2~3年で日本上陸にこぎ着ける中国企業のスピードは圧倒的。日本で本格的にバイクシェアが普及する起爆剤となりそうだ。

山田 雄一郎 東洋経済 記者

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やまだ ゆういちろう / Yuichiro Yamada

1994年慶応大学大学院商学研究科(計量経済学分野)修了、同年入社。1996年から記者。自動車部品・トラック、証券、消費者金融・リース、オフィス家具・建材、地銀、電子制御・電線、パチンコ・パチスロ、重電・総合電機、陸運・海運、石油元売り、化学繊維、通信、SI、造船・重工を担当。『月刊金融ビジネス』『会社四季報』『週刊東洋経済』の各編集部を経験。業界担当とは別にインサイダー事件、日本将棋連盟の不祥事、引越社の不当労働行為、医学部受験不正、検察庁、ゴーンショックを取材・執筆。『週刊東洋経済』編集部では「郵政民営化」「徹底解明ライブドア」「徹底解剖村上ファンド」「シェールガス革命」「サプリメント」「鬱」「認知症」「MBO」「ローランド」「減損の謎、IFRSの不可思議」「日本郵政株上場」「東芝危機」「村上、再び。」「村上強制調査」「ニケシュ電撃辞任」「保険に騙されるな」「保険の罠」の特集を企画・執筆。『トリックスター 村上ファンド4444億円の闇』は同期である山田雄大記者との共著。

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