東横線地下化が大きく変えた「渋谷駅の役割」

直通で乗り継ぎルートはこれだけ変わった

一方、東横線渋谷駅の乗降人員は、若干の上下はあるものの増加傾向が続いている。東急の数値は、乗車客だけをカウントしているJRとは異なり「乗降人員」で、この中には乗り入れを行う路線との直通客・乗り換え客数も含まれている。こちらはJRと異なり急激な変化はないが、2006年度に41万7731人だった乗降人員は、10年後の2016年度には46万1200人まで約4万3000人増加している。

これだけでも東横線―副都心線の直通利用者が増え、代わりにJR線への乗り換えが減ったであろうと推測することはできるが、実際に乗り換えのパターンがどのように変わったのかが気になるところだ。

そこで、国土交通省が5年ごとに実施している「大都市交通センサス」の「初乗り・最終降車駅間経路別人員表」を基に、東横線各駅から東横線以外の路線や駅への経路を抽出し、2010年度と2015年度で割合がどのように変わっているかを調べてみた。

国交省によると、この人員表の数値は、鉄道やバス利用者に配布・回収した調査票から集計したデータを、定期券の発売データによって拡大したもの。サンプルを収集して行う調査のため、必ずしも利用者が存在するすべての乗り換え経路が現れるわけではないので「自分の使っているルートがない」という人もいるかもしれないが、全体的な傾向をつかむことはできるだろう。

乗り換えなしの威力は大きい?

まずは東横線各駅から、副都心線直通電車で乗り換えなしで行けるようになった池袋駅への経路の変化を見てみよう。

直通運転開始前の2010年には渋谷でJR線(山手線・埼京線など)への乗り換えが98%、残り2%が副都心線経由だったが、2015年は77.2%が副都心線経由、22.8%がJR線経由と逆転した。乗り換えなしの威力はやはり大きいようだ。

副都心線が山手線のバイパス的役割を担う目的で建設されたことを考えれば、その狙いは十分に発揮されているといえる。

次ページ池袋まで1本だとやっぱり便利
鉄道最前線の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 世相をリアルに映し出す 流転タクシー
  • 看取り士という仕事
  • 就職四季報プラスワン
  • 最新の週刊東洋経済
トレンドライブラリーAD
人気の動画
ANAとJAL、国内線で競り合う復活レースの熾烈
ANAとJAL、国内線で競り合う復活レースの熾烈
富裕層、世代でまったく異なる「お金の使い方」
富裕層、世代でまったく異なる「お金の使い方」
サイゼリヤが「深夜営業廃止」を決断した裏側
サイゼリヤが「深夜営業廃止」を決断した裏側
話題の「30分で絵を描く」秘訣、驚くほど簡単4手順
話題の「30分で絵を描く」秘訣、驚くほど簡単4手順
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
メタバース革命が始まる<br>全解明 暗号資産&NFT

不正流出事件から4年。復活不可能に見えたビットコイン相場は米国主導で活況を取り戻しました。暗号資産を使ったNFTの購入、そしてNFT取引が広がるメタバースにもビジネスの機会が広がっています。日本は暗号資産とどう向き合うのでしょうか。

東洋経済education×ICT