将軍・徳川家斉が「53人も子供を作った」ワケ 「男子26人、女子27人」はスゴすぎです…

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Q5. そもそもなぜ家斉は、子どもをつくってばかりいたのですか?

「世継ぎづくり」は、将軍や大名の最重要公務だったからです。

この頃は、幕府や各藩では実務の主導はほとんど家臣が行い、将軍や大名に求められていたのは、彼らの職場である「家」の存続が安泰となるよう、お世継ぎをしっかりつくることでした。

家斉自身も将軍の「養子」であり、幕府存続の責を背負ったことで、子づくりにより拍車がかかったものとみられます。

「世継ぎ」が生まれなければ「お家断絶」

Q6.「世継ぎ」が生まれなかったら、どうなるのですか?

本来の江戸幕府のルールでは、大名ならばお家断絶です。

後出しで後継者を指定できる「末期(まつご)養子」という裏制度もありましたが、弊害も少なからずあり、もちろん基本的には「自前」での世継ぎの擁立がベストでした。そのため、家臣らは主君を「お世継ぎづくり」に専念させました。

「徳川御三家(ごさんけ)」「御三卿(ごさんきょう)」というのも、本来はこうした問題への「保険」としてつくられた制度です。

Q7. たんに徳川家斉が「女性好き」だったのでは?

もちろん、そういう側面もあったはずです。

現に、17歳の徳川家斉が正妻である広大院と結婚の儀をあげたその翌月に、側室のひとりから長女の淑姫(ひでひめ)が誕生しています。

しかし、それ以外の「もっと本質的な理由」も存在します。

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