民進党「前原vs枝野」が盛り上がらない必然 なぜ「最後の代表選」と揶揄されるのか

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残念ながら、その可能性は極めて小さい。その最大のネックは経済政策にある。2人とも「分配」を重視し、経済成長について述べるところは少ない。21日の会見でも、記者からその点が指摘された。

これについて枝野氏は、同日夕方に行われた討論会で「不足しているのは内需で、消費拡大のためにはセーフティネットを拡充しなければならない」と主張。新規産業の育成についても「先進国が1製品を大量生産する時代ではない」として自らが提唱する「多様性の社会」に結び付けたが、それをどうやって実現するのか、具体的経路については述べるに至らなかった。

「成長」の観点が希薄

前原氏の主張も、「成長」の観点が希薄だ。代表選で提出した政策に「『成長依存』から『成長誘導』へ」とタイトルを付けながらも、「人間に共通するニーズを満たし、結果として成長にもつながる経済・社会構造への転換を目指す」としている。

そもそも民主党政権が3年3カ月で崩壊したのは、着任早々に沖縄の基地問題で迷走した鳩山由紀夫内閣のような政治的な頼りなさが原因になったことはもちろんだが、それよりも経済政策への不満が強かったからではなかったか。「経済的な成長率は民主党政権の方が高かった」とは民進党から言い訳のように聞こえてくる主張だが、多くの国民がそれを実感していないのは事実だ。

さらに代表選では前原氏は「政権交代可能な政治を作る」、枝野氏は「政権の担い手になるのは、民進党以外にないと確信している」としていながら、国民にとって最重要な主張を欠いている。それは安全保障政策だ。

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