教育費にムダの多い人が知らない選択と集中

「見栄」が価値ある選択を妨げる

「なんとなく」通わせている習い事や塾は、教育費とは呼べません。親の趣味、いや、親の浪費です。「こういう大人になってほしい」という成果が先にあり、その成果を得るためにおカネを使う。それが正しい教育費の考え方です。

わが家では「海外旅行」はレジャー費ではなく、教育費の範疇だと考えていました。外国を身近に感じ、さまざまな国の文化を教養として身に付けてほしいという教育的成果を意識して、海外旅行に出掛けていたからです。

絵本やマンガ、映画代を、娯楽費ではなく教育費と考える家庭もあります。友達を招いてホームパーティを頻繁にする家庭もありました。自営でお店を経営している親御さんでしたので、「人との付き合い方を学ばせる」ことに重きを置いていたのだと思います。通常「交際費」でくくられる費用も、家庭によっては立派な教育費になるのです。

収入には限りがある

教育費を考えるときに、絶対に忘れてはならないことがあります。収入には、限りがあるという事実です。収入は家庭によって違いますし、地域や家族形態によって最低限必要な金額も違います。ただし、有限であるということはどの家庭にとっても共通しています。

子どもが小さいうちは、家計に余裕があるだけに、つい横並び意識もあって、「あそこがやるならうちも」と、塾や習い事を始めてしまいがち。そんなときは、「その塾や習い事の成果は何か」という基本に立ち返るようにしたいところです。成果の定義が先で、行動(支出)はあとです。

【成果を定義して、行動する】
〇 就学前に泳げるようにしておきたいから → 水泳の家庭教師をつける → 1カ月でクロールをマスターできた
×【行動してから、成果を後づけする】
× 5歳になってみんな習い事をし始めたからスイミングに通わせる → 週1で人数も多くて水につかってる時間は少なかった。2年通っても泳げるようにならなかったけど、水には慣れたからいいよね

「成果をあげるための秘訣をひとつだけあげるならば、それは集中である」(ピーター・F・ドラッカー『プロフェッショナルの条件』ダイヤモンド社)

世界最高の経営学者といわれるドラッカーは、会社が成果を出すには、無数にある選択肢のなかからこれぞという事業を選択し、そこに人材や資金を集中的に投入していく大切さを説いています。

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