欧州産「生ハム」が日本で一段と身近になる日 イタリアが求めるのは量より質の理解
「日本人は欧州産チーズを真に楽しめていない」(8月4日配信)、「フランス高級ワインは日本で高値を崩せない」(8月6日配信)で取り上げたチーズ、ワインに次いで、EPA(日欧経済連携協定)で注目されているのが生ハムだ。
実は豚肉、生ハムにも影響
チーズやワインがニュースを騒がせたことに比べると、今回さほど注目を浴びなかったものの、豚肉をめぐっては実は大きな変化があった。基準輸入価格を設け、低価格品ほど関税を重くする「差額関税制度」を維持することで最終合意。低価格帯の肉にかける現行1キロ当たり482円の関税は、10年で50円にまで引き下げられ、(524円の分岐点価格より)高価格帯にかける4.3%の関税は撤廃されることになる。結局、TPPとほぼ同水準での合意となった。
近年、日本人にも馴染み深い食材となってきた生ハムは、 EU産のものが輸入シェアの多くを占める。
なかでも注目したいのは、中国の「金華火腿」、スペイン産の「ハモン・ セラーノ」と並び、いわゆる世界3大ハムと位置付けられる、イタリア・パルマ産の「プロシュット・ディ・パルマ」だ。
近年、日本人にも馴染みが深く、オードブルとしても人気を博している。「生ハム食べ放題!」や、「スライス仕立てを提供します」といった独自のサービスで集客を工夫する飲食店も増えている。その生ハムには、現在8.5%の関税がかかっているが、初年度で4.3%に下がり、10年間で撤廃されることで大枠合意した。
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