「オフィスグリコをスタートした20年ほど前は、そもそも自分の席でモノを食べるという文化があまりありませんでした。そのため職場のマナーという観点に加えて、できるかぎり罪悪感なく、ひっそり食べていただくことに気をつけました。近年は、働き方も多様化し、お菓子を食べることについての抵抗感は薄れてきたような気がします」(藤尾氏)
ちなみにオフィスグリコの人気菓子のトップ3は、「フレンドベーカリー」「ビスコ」「バンホーテンチョコレート」だという。
一方、職場にふさわしくないお菓子の筆頭がアイスクリームだ。
「自分の席で、大きなソフトクリームをなめている新人がいてびっくりした」(シンクタンク研究員・43歳)というように、アイスに対する先輩の抵抗感は強い。クリームがポタポタ垂れるおそれがあり、食べるのに時間がかかる。来客があっても置くことができないソフトクリームは、自分のデスクで食べるのに、もっともふさわしくないお菓子ということになるわけだ。
「『会議の茶菓子代』は経費で認められる企業もあるようですが、実際、多くの企業が会議でお菓子を用意しているようです」(藤尾氏)
キャンデーやチョコレートなどを口に含めば、会議の煮詰まった雰囲気が和らいだり、和気あいあいとした雰囲気が生まれて議論が活発になったりといったさまざまな効能があるからだ。
「ちなみに、弊社では、会議でのお菓子持ち込みは自由です。私を含め、『ポッキー』持参で会議に臨む社員が多いですね(笑)」(藤尾氏)。会議で茶菓子を出す風習がある会社ならば、会議があると知ったら「お菓子を買ってきましょうか?」と尋ねるのがいいだろう。
ただし、「役員が出席」「重大な意思決定をする時」といった会議の種類によっては、企業にもよるが、お菓子がそぐわないと考えられるケースもあるので、何でもかんでも、お菓子の用意を提案すればいいというものではない。
買い出しを頼まれたら「4つのポイント」を押さえよ
会議中にお菓子を出す文化がある会社ならば、お菓子の買い出しを若手社員は頼まれることもあるだろう。
「職場で食べるお菓子を頼まれたら、自分の中で次の4つのポイントを押さえてから買いに出掛けましょう」と話すのは、人材派遣・紹介サービスや教育事業を手掛けるキャプラン社の教育部門、Jプレゼンスアカデミー事業部のチーフインストラクター・伊東絹子氏。
それは、「値段(予算)」「大きさ」「量」「味」の4つだ。値段については頼まれたときに、聞いておくと間違いがない。大きさは一口サイズ。人数分入っているかどうか必ず確認する。味については、好き嫌いがあるので、味が濃いものなどは避けるべきだろう。加えて個包装であり、前述したように音がしない、においがしない、汚さないといった条件を満たすことも必要だ。
「出張などで、すぐに食べられない人がいるかもしれないので、できれば賞味期限が長いものを選んだほうがいいでしょう」(伊東氏)
それでは、来客用のお菓子の買い物を頼まれた場合は、どうすればいいのだろうか。
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