このように個性をもった人がたくさんいる会社は「強い」といえます。周囲の状況が変われば、それまでは光っていなかった人材が、極めて重要な人材となるかもしれないのです。急激な時代の変化とはそういうものです。
これからは、多種多様な人材を「今の基準」で考えてはいけません。「未知の遭遇」に備え、あえて変人、奇人の若者を集めたほうが、企業の将来にとってプラスになるのではないかと思います。
もちろん、「人間性」ということは当然の前提にはなりますが、それも最小限にとどめておく。そのような百花繚乱、多種多様、変人奇人の集団を、これからの企業は目指すべきではないかと思います。それが「超高速・超複雑な時代」「突然に変化する時代」「明日の風景がまったく予測できない時代」の人材採用の前提です。
今の自分の好みで採用してはいけない
今の基準で人材を判断しないこと、自分の好みや価値基準で人材をそろえないことが重要です。極端に言えば、むしろ、よほどの異常者でなければ、自分と異なった、自分好みではない人材を、あえて採用するべきかもしれません。
これからの時代は、さまざまな奇人変人を採用し、いざというときの人材としてプールできる企業が強い企業の条件になるかもしれません。また今、抱えている人材も、今、役に立たないから不要とするのではなく、いつか役に立つかもしれない人材として見ていくべきでしょう。経営者は、長期的な観点から、いつ、いかなる事態でも対応できるようにするべきでしょう。
会社を、青一色の集団、赤一色の集団にしていては、超高速・超複雑な時代に生き残っていくことは不可能です。いかなる変化にも即応できる経営、状況が一変しても直ちに即応できる人材の準備。その心掛けがなければこれからの経営者とは失格なのです。そういう観点からすれば、ある程度の人間性があれば、「先着順採用」をしてもいいのではないか。さまざまな人材を普段からプールしている会社が、これからの時代、生き残っていくだろうと思います。
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