メインバンクが仕掛けるM&A 優先株出口に悩む三洋電機、松下による買収は…

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松下電器内で検討されるもう一つの選択肢

確かに三洋は「HIT太陽電池」と呼ばれる新世代の太陽電池の開発に成功。実験レベルでは発電効率22・3%、実用化段階では同19・7%を達成し、ライバル他社の17%前後を上回る世界最高クラスの技術水準を誇っている。しかし、一般的な火力ならボイラー付近での発電効率は90%に達し、全体でも40%。より高効率とされるコンバインドサイクル発電なら50%にも及ぶ。

エンジニアの間では「太陽光発電を原発や火力並みに近づけるには、画期的な技術面でのブレークスルーと、それを実用化していくための膨大な研究開発投資が必要」(日立製作所幹部)との見方も強まっている。ならば「市場の期待値が高いうちに売却してしまおう」といった計算か。

一方、三井住友などの構想に対し、合併候補として選ばれた松下も「多大な関心を寄せている」(家電大手首脳)との観測がもっぱらだ。とりわけ松下が欲しがっているとされるのが、三洋が世界トップクラスのシェアを保持している2次電池や充電池。関係者の一人はさらに「冷凍ショーケースや業務用冷凍機なども相乗効果が見込める」と指摘する。

もっとも金融筋によると、松下内部では対三洋M&Aとは別に「もうひとつの大型M&A商談がひそかに俎上にのぼっている」という。韓国LG電子の買収だ。LG株を大量取得したソブリンと呼ばれる投資ファンドから保有株を買い取る案が有力で、これにより同社を実質的に傘下に置こうという算段らしい。

LGは松下がコア事業の一つに掲げる液晶ディスプレーパネルでサムスン電子と並び世界で覇を争う。M&Aに成功すれば、ライバルのシャープを一気に抜き去る好機だ。加えて携帯電話端末でも世界シェア第5位。過当競争と成熟化で低採算の続く国内モバイル市場に見切りをつけ、日本勢としては初めて海外へと本格的に打って出る格好の跳躍台ともなりうる。

はたして三洋か、LGか。松下の意中は現時点では不明だが、いずれにせよ同社が動くとき、東アジアのエレクトロニクス業界に大きな地殻変動が訪れることだけは間違いなさそうだ。

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