東レと東洋紡、エアバッグ生地で首位争奪戦 年率7%超の成長市場めぐって火花

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東洋紡の現在の主顧客は、日系エアバッグメーカーの豊田合成と日本プラスト。東レは日系に加え、オートリブや韓国の現代モービス、KSSなど海外企業とも取引関係がある。両社は日系との関係を維持しながら、海外勢との取引を増やして事業を拡大する戦略を描く。そのために取り組んでいるのが、グローバルでの供給体制整備だ。

東レの萩原俊彦・産業資材事業部長は、「まずは2020年までに世界首位に立ち、2025年までには3割のシェアを奪取したい」と力を込める。東洋紡も世界トップメーカーのポジションを目標に掲げる。

両社がそれほど前のめりになるのは、エアバッグが成長産業だからだ。新興国での自動車販売台数拡大や搭載率上昇により、エアバッグの需要は2020年まで年率7~8%の高い成長が見込まれている。

世界一の自動車市場となった中国や、実は日本でも伸びしろは大きい。すでに欧米では横衝突時や横転時に身を守る「サイド」「カーテン」エアバッグが標準搭載されているのに対し、両国ではまだ普及の途上。今後は新型車の多くに標準搭載される見込みで、特に中国での搭載率上昇は、エアバッグ市場拡大の大きな牽引役になる。

東レ、先陣切ってインドへ進出

今年2月、インド北西部にあるグジャラート州で、東レの織布工場が本格的な操業を開始した。インドでの生産拠点の立ち上げは、東レの全事業を通じて初めてだという。

東レは業界で初めてインドでの基布生産を開始した。写真は今年2月に行われた工場開所式の様子(写真:東レ)

これまでインドではエアバッグ未搭載車が多くを占めたが、今年10月以降に販売される全新型車種には、衝突安全テストの実施が義務づけられた。これによって前面衝突時の安全性確保が必須となり、インド国内で運転席と助手席のエアバッグ装備がようやく常識化する。

こうした動きを踏まえ、インドではエアバッグメーカー各社が積極的な能力増強を進めている。一方、基布に関していえば、これまで同国内に生産拠点を持つメーカーはなかったが、東レが先陣を切って現地生産に踏み切った。

「インドはこれから需要が大きく膨らむ。現地で生産すればコスト的に優位。新工場を武器にインド市場で圧倒的なシェアを取りに行く」(萩原事業部長)と鼻息は荒い。同社は原糸を日本とタイで製造。今回の新工場稼働により、織布拠点は既存の日本、中国、タイ、チェコを含めて5地域に広がった。

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