例えばデットシーリング(債務上限)の問題はバラク・オバマ政権下でも何度もぶつかった問題ですが、「ガバメントシャットダウン(政府機関の閉鎖)などは絶対にない」、とワタクシは言い切っていました。オバマ大統領(当時)の指導力があれば、議会で民主党の議席が少ないといえども、絶対に調整が可能だと確信していたからです。
しかし、このトランプ政権においては、上下院で共和党がいくら主導権を握っているとはいえ、現実には共和党内部すら、説得できていないわけですから、次回(今年末)この問題が出て来た時に、本当に対処できるのかどうか、極めて心配であります。
米経済最大のリスクはついに「トランプ大統領」に
トップの閣僚すら、次から次へとクビを挿げ替えているだけでなく、局長級の人事は、いまだにほとんど決まっていない!!
多くの日本企業の米国担当者は誰と交渉すればいいのか、まさに頭を抱えている状態です。ツイッターで「日本の貿易赤字はけしからん!」と吼えるものの、具体的に何をしてくるのか、まったく反応がない。これは実に頭が痛い問題でありまして、このままの状態が続くのであればそれ自体が「リスク」ととらえられる危険性は十分にあります。ワタクシは過去3年間、「米国経済は盤石だ」とあちこちで言い続けているのですが、ついに危ない、と思える要因が出てきてしまったのが、今回の「トランプリスク」と言えるでしょう。
今思えば、オバマ大統領が金融危機の真っただ中で就任してわずか2週間で、どちらかというと共和党寄りのローレンス・サマーズとティモシー・ガイトナーを説得して、それぞれ国家経済会議委員長と財務長官に指名。そして、あっという間に危機を収束させたのはすごいことで、あの当時オバマ大統領ではなく、もしトランプ大統領だったなら、米国経済は壊滅していたと感じるくらいです。
このリーダーシップの違いはなんとも埋めがたく、現在の米国経済における最大のリスクはトランプ大統領そのものだ、と言うことを指摘しておきたいと思います。
さて、トランプ大統領の話を書いていたら「リーダーとは?」ということに思いが至るので、そのことを書いておきたいと思います。
職業柄、日本企業の経営者とは頻繁に会うわけで、また日米双方でサラリーマンをやったことがあるので、その経験からつねに感じていることがあります。
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