――たとえば?
陳雪:私はだんなに言うの。「あなたは今年40歳で、息子が2人いるわよね」って。
「もし、外に女をつくったら、とても簡単。子供は2人とも私が引き取る。あなたにはひとりだって渡さない。裁判に訴えてもいいけど、あなたは私ほどやり手じゃないし、おカネだって私のほうが稼いでいる。あなたは2人の息子も財産もすべて、私に譲ることになる。もちろん家も、家の中の物も全部私の物。
あなたには毎月2000元だけあげる。それで家を借りて生活すればいい。ただ、私はあなたの親戚や仲間全員にこのことを告げるわ。そうしたらあなたは仲間の輪から吐き捨てられ、社会からはじかれる。あなたは40歳にして、残りの人生、私からもらう2000元だけで生きていくことになるわけ。完全におしまいね。これが中年の危機っていうのよ」って。
そういう話を1回だけじゃなくて、ことあるごとに言うの。もっとも、私のだんなにはそんなリスクはまったくないんだけれど。
結婚生活の「保険」
劉陽:仕事で接待はないの?
陳雪:すごく少ないわ。それに彼はもともと、冷凍庫でガチガチに凍らせたみたいなカタブツなの。彼、会社の管理職だから、それなりに女が寄って来るんだけれど、ものすごく鈍感で、女性の好意には気づかない。それに自制心が極端に強い人なので、絶対に私を傷つけるようなことはしないと思う。
今の中国で、彼みたいな人を見つけるのはすごく難しいわね。ただ、誘惑も多いから、念を押しておくの。
魯悦:私は結婚前の夜、だんなに言ったの。「私は絶対に浮気は許せない。もし、あなたが浮気するなら、私も浮気する。だからあなたは自分の行動を省みて、それと同じことを私がしたらどう感じるか考えて」って。
陳雪:あなたまで浮気したら、婚姻関係、終わっちゃうわよ。
魯悦:本当にそうするというのではなくて、立場を変えて考えてみてという話。
陳雪:それよりもう少し、だんなをビビらせて、リスクを自覚してもらったほうがいいんじゃない?
――ちなみに、陳さんの脅しの効果は?
陳雪:実は全然。彼は、「お、そうだな。君の言うとおりだよ」ってそんな感じ。
あともうひとつ、私たちには結婚生活の「保険」があって、それは夫と2人だけで旅行に行くこと。何年か前から始めたの。毎年1箇所ずつ、子供はおいて、2人だけで海外旅行に行くの。それから毎週金曜日の夜は子供なしでドライブすることにしているわ。
――それは誰のアイデアで?
陳雪:2人で話し合ってきめた。子供を連れていたら、ゆっくり落ち着いて2人で話をできないでしょ。だから毎週ちょっとした時間をつくって話をして、それから毎年、旅行に行くことにしたの。
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