安倍首相が「打つべき一手」は実は難しくない 有権者は「平成の終わり」を意識している

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これらの遺産を、まとめて相続したのが第2次以降の安倍内閣であった。安倍晋三氏が「強い首相」をエンジョイできたのは、①政治や行政の仕組みが首相に有利になり、②外交・安保や経済政策が官邸主導型になり、③自民党内も以前ほど党執行部に逆らわなくなり、④「民主党時代には戻りたくない」という気持ちも強くなったからだ。

実は難しくない?「安倍首相の次の一手」

ところが日本型の組織というものは、本質的にボトムアップ型にできている。逆に言えば、トップダウン型の意思決定には馴染めないところがある。だから平成30年史が終わりに近づいた今頃になって、急速に「強い首相」に嫌気がさしてきた。特に「お友だち優先」の公私混同ぶりを見せつけられた後では。

あるいは官僚機構からは、官邸のご指示には従うけど、従来の行政ルールに介入するのは我慢できないとか、内閣人事局が各省庁の人事に口を出すのは勘弁してほしい、といった声が出てくる。おそらくそういう「気分」は広範に理解されていて、それが安倍内閣の支持率急落に表れていると思うのである。

上記のような解釈が正しいとしたら、安倍首相の次の一手はそれほど難しくはない。なにしろ野党が力を得ているわけではないのだから。世論が「強い首相」に飽きているのなら、「弱い首相」を演じることである。その上で、ボトムアップの手法を多用すればいい。憲法改正も、当面は「待ち」の姿勢で良いのではないか。

それから8月3日の内閣改造では、後継者を「見える化」することだ。それだけで「安倍一強」への警戒感は半減するはずである。その上で、政権の骨組みを含めた大幅刷新を行う。何しろ「飽きられている」ことが問題なのだから。女性閣僚を増やすとか、人気者の小泉進次郎氏を起用するといった小手先では通用しそうにない。むしろ菅義偉官房長官を外すくらい方が、新鮮さをアピールできるのではないか。

日本政治がこれまでの安定を維持できるかどうか。この夏は文字通りの勝負どころとなりそうである。

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