蓮舫代表を辞任に追い込んだ厳しすぎる現実 ずっとボタンを掛け違えていた

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蓮舫民進党にとって決定的な打撃になったのが、7月2日に投開票された東京都議選だ。民進党は前回(2013年)の都議選よりも30万4870票も減らし、5議席しか獲れなかった。7月25日の両院議員懇談会で配布された都議選の総括資料では、選挙結果は「惨敗」とされ、党の一体性が欠如していることや小池新党の新しい局面への対応の遅さなどがその原因として挙げられている。

その検討材料となったのは、7月11日から18日にかけて開催されたブロック会議だ。そこで噴出した責任論が、野田幹事長辞任に繋がったといえるだろう。

もっともその前から、野田氏は幹事長を辞任したがっていたとの話もある。7月21日にはテレビメディアを中心に「岡田克也氏に次期幹事長を打診したが、断られた」と報じられた。岡田事務所は「打診もなければ、断ってもいない」とこのニュースを否定した。そして今度は23日になって「野田氏が前原誠司氏に幹事長就任を説得する」と噂が流れた。この日は閉会中の金曜日にも関わらず、野田氏と前原氏が夜になって赤坂宿舎に入っていることがその噂の根拠だった(25日の会見で、野田氏が前原氏との接触を否定した)。

「衆議院小選挙区への鞍替え」が代表辞任の原因?

頼みの綱ともいえる野田氏が幹事長を辞めようとしている動きがありながらも、蓮舫氏は続投姿勢を崩さなかった。

しかし、党内で「蓮舫辞任論」が盛り上がり始めたのもこの時だった。ある中堅の議員は筆者に「僕は野田さんよりも蓮舫さんの方が辞めるべきだと思っている。彼女は党の代表というよりも、一議員として予算委員会などで鋭く追及する方が向いている」と打ち明けている。

一方で、そのころには蓮舫民進党において次期執行部の実権を狙うような動きも聞こえてきた。

「安住淳代表代行が次期幹事長ポストを狙っていて、蓮舫氏が打診しそうな花斉会のメンバーに依頼を受けないように圧力をかけているようだ」

24日に投開票された仙台市長選で民進党の衆議院議員だった郡和子氏が野党共闘の枠組みで当選したことも、宮城県連代表の安住氏にとって強気の材料となったとされた。

蓮舫氏がどうしても“安住幹事長”が嫌だとすれば、執行部を一新できない。それならばいっそ代表を辞任する方が、よほどすっきりすると見たのかもしれない。

「衆議院小選挙区への鞍替え」が代表辞任の原因とする見方もある。

そもそも7月25日の両院議員懇談会で衆議院への鞍替えを宣言したものの、蓮舫氏にとって衆議院選挙は全くの未知数。また蓮舫事務所は秘書が少なく、議員会館以外に個別の事務所も持っていない。

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