ホームで焼肉!駅が「宿」だとこんなに楽しい 無人駅の駅舎はどうして宿になったのか

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あともう一つ、聞いておきたいことがあった。

「あの、夕食のジンギスカンはどのくらいのボリュームなんでしょうか?」
宿『結構ボリュームありますよ! 男性でちょうどいいくらいでは』
「おにぎりが付くとありますが、それで足りますか……?」
宿『うちのおにぎりはかなり大きいですよ。それが1人に2つ付きます。足りないということはないと思いますよ』

 

それを聞いて安心した。駅舎には売店もないし、近くにコンビニもなさそうだ。心配性の私は寝台列車に乗るときも必ず駅弁を2つ3つ買ってしまうほど、ご飯が足りないというのが恐怖なのだ。

そしてもう一つ重要なこと。

「お酒、売ってますか?」
宿『はい、ビール、日本酒、チューハイなどがあります』
「ビールの銘柄は……?」
宿『サッポロクラシックです』

 

完璧だ。すっかり安堵したうえに、すごく楽しみになってきた。

列車で行くのは大変な「駅の宿」

こちらが比羅夫駅、そして駅の宿ひらふ。駅舎なので線路が目の前だ。2階が部屋になっている(筆者撮影)

北海道へは船で苫小牧から入った。そこから母恋(ぼこい)駅へ移動、13時に予約した駅弁、母恋めしを無事受け取った。その後、14時台の列車に乗車、室蘭本線の東室蘭駅で乗り換え、函館本線を長万部駅でさらに乗り換えて、18時04分に比羅夫駅に到着した。

チェックイン時間の18時を微妙に過ぎるが、これより前の列車は14時49分着なのだ。時刻表を見ると、1日のうち上り下り共に7本ずつしかない。なかなか来られなかった理由がここにある。

夕食も18時からで、すでにオーナーさんがホームでジンギスカンの準備をしてくれていた。

「今日はもう1組、2人泊まる方がいらっしゃいます。部屋は別です」

もう1組は男性2人組だった。4人で同じ網を囲んでのジンギスカンが始まった。

ジンギスカンのお肉はとても柔らかく、甘い。聞くと、こだわって札幌の業者から仕入れている肉とのこと。甘めのタレも特製のものを使っているらしい。そしてさすが北海道、野菜もおいしい。夏はトウモロコシが出るそうだ。ぜひ夏も食べてみたい。

バーベキューは焼きおにぎり2つを合わせ、1人前1600円。ビールは別売り300円。良心的である(筆者撮影)

ついつい食べることに夢中になってしまい、ジンギスカンの焼ける音だけが聞こえてくるのに気づく。会話がないのもなんなので、目の前の2人に話しかけてみた。どうやら2人は兄弟とのこと。兄が関東のほうで仕事をしていて、弟が北海道在住だそう。たまに2人で山登りをしたりするのだという。仲の良い兄弟でほのぼのする。

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