女子アナ→芸者→市議、42歳妻の曲折人生 自由すぎる夫に付いていったらこうなった
渋々、アメリカ行きを受け入れたひろ子さんだが、渡米後に驚きの事実を知ることになる。なんと夫は、アメリカのプロレス団体と、事前に何の交渉もしていなかった。しかも、現地での交渉はすべて、英語が堪能だった、ひろ子さん任せ。会場に早めに行き、その場で社長のアポを直談判で嘆願するような状態が続いた。
それでもようやく、アメリカのプロレス団体と交渉にこぎつけた。ただ、先方から告げられたのは、予想だにしない条件だった。
「ニッポン人のYOUには『日本兵』をやってもらう」(プロレス団体の社長)
「『日本兵』!?(怒)」(ひろ子さん)
「日本はアメリカに戦争で負けただろ……その恨みを晴らすためにやってきた……という設定だ」(社長)
夫を悪役として売り出すために、日本兵の格好をしろというのだ。それを聞いた、ひろ子さんは、
「NO~!!!!!(怒)何言ってるの? アナタ日本人ナメてるでしょ」(ひろ子さん)
目を吊り上げ、ツバを飛ばしてまくし立てた。その姿を見ていた社長は、
「すまなかった……今の話はナシにしよう! かわりに、ひろ子……君がマネジャー役で出場してくれ!『芸者の格好をして』だ」(社長)
「『ゲイシャガール?』」(ひろ子さん)
物怖じせず、堂々としているひろ子さんの姿が社長のハートを射止めることとなった。思いもよらないふざけた提案に、怒り心頭したひろ子さんは「バカにしないでよ!」と憤慨するのだが、これに対し夫は、「ひろ子のゲイシャ姿、俺も見たいよ! しかも2人で契約できるなんて最高じゃないか!」と社長と抱き合い喜ぶ始末。
気付けば白塗りレスラー・ゲイシャガールに!?
そして、数カ月後。アメリカのプロレス会場で「日出る国からやって来たケンゾースズキ!」という実況とともに登場する夫の後ろに続いたのは……着物に身を包み白塗りの顔で現れたひろ子さんだった。ひろ子さんは夫のマネージャー・ゲイシャガールとしてリングに上がりマイクパフォーマンス!
「健三は偉大で最強のレスラーよ!」(ひろ子さん)
当初は、マネジャーとしての肩書だったのが、いつしかリングの上で、戦うようにまでなっていた。ときにはラリアットをくらい、ときには吹っ飛ばされたり、蹴っ飛ばされたりと、10万人もの観衆の前で、もうやられたい放題。そこには、かつて女子アナとして輝いていた姿は微塵もなかった……。
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