結婚生活は、つくづく駆け引き
――劉さんご夫婦は、家事の分担は?
劉陽:私たちは何でも自分たちでやるわよ。二人とも海外生活が長かったから、基本的に何でもできるし。私は、家事は絶対に女性がやるものとは思わないから、もし相手がそう思っている人だったら、結婚していなかったでしょうね。私たちは結婚当初、私が料理をしたら皿を洗うのは夫というふうに、きっちりルールを決めてやってきたわ。
陳雪:最初にルールを決めておくのは絶対に必要だし、あとが楽ね。でもルールづくりはよく考えないと。給料と一緒で、最初に3000元と言っていて、あとから景気が悪いから2000元にすると言ったら、それは受け入れないと思うから。ほんと、結婚生活っていろいろな面でつくづく駆け引きだと思う。
魯悦:同感!
劉陽:それと大事なのは、自分の全てを結婚生活に注ぎ込まないことじゃないかしら。自分の全てを夫に捧げるような夫婦関係は、その人が何をどうしようと不幸になると思う。それは子育てや仕事でも同じでしょう。
陳雪:そういえば、劉陽のところはディンクス?
劉陽:そうと決めたわけではないんだけれど、私も夫もイレギュラーなタイプだから、特に子供がほしいという気にならなければ、それもいいかなという感じ。私はもう40歳なので、このままいくと子供は望めないでしょうね。世間体はちょっと怖いけれど、それもしょうがないかなと思っている。
若者夫婦で増える「鉄ディン」
――中国では子孫を残すということに、日本以上に強い思い入れがあると思うのですが、御両親から何かいわれることは?
劉陽:その点、私たちはラッキーで、私たちの両親もみんなイレギュラー。特に何か言われることはないわ。私たちは完全に中国の一般的家庭像の反逆者ね。
魯悦:最近、ディンクス志向の若い夫婦が増えていると思う。実は私の義弟夫婦もそう。二人とも30代半ばで「鉄ディン(鉄のごとき硬い意思のディンクス)」。もう10年くらいの付き合いで、今でもすごく仲よし。ただ、両親の反対で籍を入れてないの。
特に彼の母親がものすごく子供を望んでいるわ。でも彼は自分が不妊症で子供をつくれないと母親に言っている。全くそんなことないんだけれどね。彼の奥さん、実は3回妊娠して、3回とも堕胎しているの。医者からはホルモン値は20代前半なみで妊娠しやすいと言われているのに、子供は絶対にいらないって。それで猫をたくさん飼って、楽しく暮らしているわ。
陳雪:私の義弟夫婦も「鉄ディン」よ。彼らの場合は奥さんが帰国子女で大手外資の管理職なの。子供を産んだら、それ以上の出世は難しいでしょう。それで義弟を説得して、ディンクスを選んだんだけれど、義両親は「弟には跡継ぎがない」ってさんざん嘆いている。
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