「女王陛下の新路線」用新車は何が新しいのか 吊り革は一部だけ、座席の座り心地は?

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大型液晶表示による情報案内装置。次駅表示はもちろん、乗り換え案内や停車駅案内も行われる(筆者撮影)

照明には間接照明を採用しており、まぶしさは感じられない。各車両には2カ所ずつ、大型の液晶案内装置が設置されており、次の停車駅や乗り換え案内などが見やすく表示される。また、英国ではあまり見掛けない吊り革が、ドア前後に8個だけ取り付けられているのは珍しいといえる。これはやはり、都心部での混雑を考慮してのことなのだろう。

さて、リバプールストリート駅を発車した列車は、東へ向けて走り出した。走行音も静かで、滑るような乗り心地だ。次のストラットフォード駅で、多くの乗客が乗り込んできた。

新線への期待を乗せる新型車両

筆者の隣に座った初老の男性は、初乗車の新しい車両の乗り心地に満足している様子だった。男性は、ロンドン北東部イルフォードに住んでいるとのことだが、今からエリザベス線完成と都心直結が待ち遠しいという。「今までは都心へ行く場合も、リバプールストリート駅で乗り換えなければならなかったからね。完成すれば、オックスフォードサーカスまで乗り換えなしで行ける」。

営業開始直後は鉄道ファンのみならず、多くの人が新型車両を写真に収めていた(筆者撮影)

「しかしもっとありがたいのは、ヒースロー空港へ直結することだ。今まで、われわれ東部の人間は、空港へ行くには乗り換えて行くか、ミニキャブ(民間のリムジンサービス)を使わなければならなかった。大きな荷物を持っての乗り換えは大変だし、一方でミニキャブは、片道70~80ポンドと高額だ」と男性。新しい車両については「きれいでうれしい。表示も大きくて見やすいし、エアコンも効いていて非常に快適だ」とご満悦だった。

途中停車駅では、この新型車両を一目見ようと、鉄道ファンのみならず、乗客や駅係員までが携帯電話やカメラで撮影し、列車を見送っていた。沿線住民の大いなる期待を背負って運行を開始した新型車両。エリザベス線開業まで1年半、今から開業が待ち遠しい。

橋爪 智之 欧州鉄道フォトライター

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はしづめ ともゆき / Tomoyuki Hashizume

1973年東京都生まれ。日本旅行作家協会 (JTWO)会員。主な寄稿先はダイヤモンド・ビッグ社、鉄道ジャーナル社(連載中)など。現在はチェコ共和国プラハ在住。

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