大戸屋創業家が会社提案に「反対」したワケ 宙に浮いた功労金の行方はどうなったのか?

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出席した株主からは「功労金の金額については、説明を聞いてそういうものかと思った。説明がなければ納得できない金額だ」(50代女性)、「反対を叫んでいる人は1人だけいたが、大方の株主は議案に賛成していたように思う。久実前会長は病気がわかっても仕事をしていたと聞けばちょっと反対はできない」(60代男性)という声が聞かれた。

功労金を受け取るかは決めていない

質疑応答では「創業家との確執は迷惑以外の何物でもない。1日でも早くカタをつけて業績を上げていただきたい」という意見も聞かれた(記者撮影)

総会後、東洋経済の取材に応じた創業家の智仁氏は「(功労金と弔慰金の)金額に納得していない以上、賛成票を投じることはできない」とし、この2案については白票を、取締役の選任とストックオプションには反対票を投じたと説明している。

相続税の支払いのため、大戸屋株を担保に銀行から融資の融資を受けたが、返済には2億円では足りないためだ。

創業家側は今後について、創業家側は「株は保有し続けられるに越したことはないが、主人は”自分に何かあったら株を売れ”とも言っていた」(三枝子氏)。

智仁氏も「功労金を受け取るかどうかも含めて代理人と協議して決めたい。会社をいい方向性に導いてくれる先に売却することも考えていきたい」と話す。

ストックオプションについては否決されたとはいえ、取締役の人事案や創業家が反対していた功労金や弔慰金の支給など重要事項ではおおむね会社側の議案が可決された。この次に創業家はどういった手段にでるのか。一連の騒動が決着するのはまだ先になりそうだ。

常盤 有未 東洋経済 記者

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ときわ ゆうみ / Yuumi Tokiwa

これまでに自動車タイヤ・部品、トラック、輸入車、楽器、スポーツ・アウトドア、コンビニ、外食、通販、美容家電業界を担当。

現在は『週刊東洋経済』編集部で特集の企画・編集を担当するとともに教育業界などを取材。週刊東洋経済臨時増刊『本当に強い大学』編集長。趣味はサッカー、ラーメン研究。休日はダンスフィットネス、フットサルにいそしむ。

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