タカタ、損失1000万円超の株主が話した本音 破綻発表の翌日、株主総会はどうなったのか
再建の手法を巡っては、スポンサーや自動車メーカー各社との協議により再建を進める私的整理か、裁判所の管轄で再建を目指す法的整理かで協議が続いてきた。
今回民事再生手続きを開始したことで、タカタは7月27日に上場廃止となる。株式の取り扱いは再生計画案の中で正式に定められるが、いずれは無価値化する方向だ。
ただ、前日の報道で内容は周知されていたため、会場で怒号が飛び交うことはなかった。「東芝みたいに未来があれば議論が白熱したかもしれないが、終始あきらめムードだった」(40代男性)。
2014年2月末時点で終値3000円を上回っていたタカタ株は、再建案の策定が長引き、2015年11月には終値が1000円を切った。民事再生法適用の報道が相次いだ今月16日以降に急落し、27日は110円のストップ安で引けた。
株が”紙くず”となるリスクをどう見ていたか
タカタの株主は株式が無価値化するリスクをどうとらえていたのか。
京都からやってきたという57歳の男性は、「私的整理で収束するだろうと高をくくっていたところがある。自分の見識が及ばず、残念だ。今日は投資家としてけじめをつける日」と語った。
資産の1割に当たる3ケタ万円が損失となる見込みの36歳男性は、「報道でいくら法的整理の可能性が取りざたされても、投資家にとっては”私的整理を望む”という会社の開示情報が絶対だった。最後の最後で民事再生だといわれても、そうなってからでは株は売れない。”私的整理を目指すが、現実は厳しい”というニュアンスがあれば、マシだったかもしれない」と話した。
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