MSCI新興国株指数、中国A株を組み入れへ 対象は222銘柄、2019年5月と8月に実施予定

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 6月20日、株価指数の開発・算出を手掛ける米MSCIは、新興国株指数<.MSCIEF>の見直し結果を発表し、中国本土上場の人民元建て株式(A株)を組み入れることを明らかにした。写真はMSCIのロゴ、20日撮影(2017年 ロイター/Thomas White)

[ニューヨーク 20日 ロイター] - 株価指数の開発・算出を手掛ける米MSCIは20日、新興国株指数<.MSCIEF>の見直し結果を発表し、中国本土上場の人民元建て株式(A株)を組み入れることを明らかにした。

一方、アルゼンチンについては新興国株指数への組み入れを見送るとしたほか、サウジアラビアの組み入れは今後検討するとした。ナイジェリアはフロンティア指数に残る。

MSCIによると中国の大型株222銘柄を新興国株指数に組み入れる。比率は0.73%となる見通し。来年5月と8月の2段階で組み入れるという。

MSCI幹部は中国株への当初の資金流入額は約170億─180億ドルになると指摘。長期的に中国株がすべて組み入れられれば、資金流入額は3400億ドル以上に達すると述べた。

ただA株すべての組み入れ時期については、中国における改革政策の進展次第として言及を避けた。

アナリストによると、中国株の指数組み入れにより、中国本土株に資産管理会社や年金、保険会社から今後10年間で4000億ドル以上の資金流入が見込まれるという。

MSCIは声明で「今回の決定においては、主に株式相互取引と、グローバル市場での指数連動型金融商品の立ち上げを制限していた事前承認制度の中国証券取引所による緩和が、MSCIが助言を求めた国際的な機関投資家に支持された」と発表した。

香港にあるT・ロウ・プライスのアジア株ポートフォリオ・スペシャリスト、ニック・ビークロフト氏は「地域やグローバルな指数構成に対する最初のインパクトは非常に穏やかなものになるだろう」と指摘。「しかし、長期的にみて、中国本土株式市場のさらなる自由化や規制改革があると仮定すれば、中国株は相当程度の指数ウエートを得ることになるだろう」との見方を示した。

また香港のハーベスト・グローバル・インベストメンツの中国株調査部門ヘッド兼ポートフォリオマネージャー、ヤンナン・チェニェ氏は「MSCI指数への組み入れは市場の開放性を強める強力なシグナルとなる。そして指数組み入れにより、国際的な投資家の参加を促し、A株市場がより幅広い注目を集めることに疑う余地はない」としたうえで、「国際的な市場参加者の急増により、中国市場のファンダメンタルズが大幅に変化するだろう」と述べた。

投資家らは中国株が将来、MSCIの新興国株指数の40%のシェアを占める可能性があるとみている。中国A株(上海・深セン市場含む)の時価総額は約7兆5000億ドル。ニューヨーク証券取引所やナスダックに次ぐ規模となっている。

中国のCSI300先物<CIFc1>はMSCIの発表後にやや下落。CSI300指数<.CSI300>は年初来で約7%高となっている。

アルゼンチンの新興国株指数への組み入れ見送りはサプライズとなった。アルゼンチン株は規模が小さいフロンティア・マーケット指数に引き続き組み込まれる。

アルゼンチンの組み入れ見送りについて、ニューヨークにあるUBSウェルス・マネジメントの新興国市場アナリスト、ルーシー・チウ氏は「組み入れ期待が非常に高かったため、アルゼンチンはひとまず打撃を受けるだろう」とし、「長期的にはポジティブなストーリーを想定しているが、一時的な調整は避けられない」とした。

サウジアラビアに対しては「サウジアラビアの株式市場改革を支持する前向きな内容だった」(ロンドンのブラックロック<BLK.N>のディレクター兼ポートフォリオマネージャー、エミリー・フレッチャー氏)との声があった。

ナイジェリア株は少なくとも11月まではフロンティア指数のままとなる見通し。MSCIは同時期に同国の市場アクセスに関して再度対処する予定。

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