パックン「築地・豊洲問題は一発で解決する」 残された課題はイメージ対策だ

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豊洲は築地からわずか3キロ余りしか離れていないし、市場が移転しても、同じ漁師が釣った魚を同じ卸業者が販売するとしたら、その味に変わりはないはず。でも、お寿司屋さんの看板に「築地直送」と書いてあれば食欲が湧くのに対して、「豊洲直送」となっていたら、たぶん暖簾をくぐらないだろう。これは論理よりイメージの問題ではないか。

そこで提案だ――豊洲市場を「新築地市場」と命名したらどうだろう?

昔ながらのブランド力を21世紀の設備に持ち込むのだ。これはなかなかおいしそうな響きではないだろうか。「新築地直送」と書いてあるお寿司屋さんには入る気になりそう。なんとなく、ネタの鮮度がさらに高い気がする。

千葉にあっても「東京ディスニーランド」

もちろん、市場が位置する地名と異なるのが気になる人はいるかもしれないが、それも考え方次第。千葉にある東京ディスニーランドだってみんなに愛されているでしょう?

少なくとも、魚の味が変わらなくても、市場の名前から「豊洲」が消えるだけで議論の後味がよくなりそう。「一発で解決」は言いすぎだとしても、この案で解決への妨げが一つ減るかもしれない。

外国人でありながら、都民である僕だが、個人的に、この議論に関してはどちらの案でもいけると思う。審査、計画、判断というプロセスが透明であって、都民に対する説明責任を果たしてくれれば、どれでも納得できるはずだ。

僕は昔から築地が大好きだから、築地改修案でもいい。豊洲市場、もとい、「新築地市場」も好きになれるはずなので移転案でもいい。変な話、アウフヘーベンでもバームクーヘンでも、タックスヘーブンでもなんでもいい。とりあえず、イメージではなくファクトで判断してほしい。

(文:パックン〈パトリック・ハーラン〉)

「ニューズウィーク日本版」ウェブ編集部

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