安倍政権、8月改造で支持急落を止められるか 「青木率」なお高いが、都議選での苦戦は必至
首相は記者会見で党役員・内閣改造人事にも言及した。「人材を積極的に登用し、党・政府でもしっかりした体制をつくる」とし、新たな政策として「人づくり改革」を挙げ、担当閣僚を新設する考えを示した。「党・内閣のメンバーを替え、問題閣僚を一掃すれば支持率も回復する」(首相周辺)という目論見にも見える。
改造時期については「じっくり考える」と明言を避けた首相だが、周辺によると「8月のお盆前後」が有力だ。「新人閣僚には秋の臨時国会召集までじっくり勉強させて、失言や軽率な言動が続出した現内閣の轍を踏まないようにする」(自民党幹部)という理由からだという。
ただ、新体制は2018年9月の自民党総裁選とその前後に想定される衆院解散・総選挙をにらんだ布陣となるはずだ。となれば政権の骨格である二階俊博幹事長、麻生太郎副総理兼財務相、菅官房長官、岸田文雄外相の4氏の去就が焦点となる。首相サイドからは「二階、麻生、菅の中枢3氏は続投・留任」との声が聞こえてくるため、ポスト安倍の有力候補とされる岸田氏の処遇が注目されるが、岸田氏自身は周辺に「4年半の外相経験から米国、中国、韓国、ロシアとのバランスを取った外交が必要だが、それは後の人が考えること」と淡々と語っているという。
"目玉閣僚"に小泉、橋下氏の名も
もう1つの注目点は内閣支持率回復を狙った"目玉人事"だ。ただ、自民党内の閣僚待機組の中には「めぼしい人材が見当たらない」(自民党幹部)のが実情。このため自民党周辺では国民的人気を誇る小泉進次郎氏や民間人となった橋下徹前大阪市長の名前が取りざたされている。小泉氏は復興相か農林水産相、橋下氏は地方自治を主任務とする総務相に起用されるとのうわさも飛び交う。ただ、小泉氏は内閣支持率急落について「5年前の野党時代を思い出せ」と苦言を呈し、橋下氏は「もう国政とは縁を切った」と公言しており、"目玉人事"が思惑どおり実現する保証はない。
自民党総裁選まであと1年2カ月で衆院議員の任期切れまでもあと1年半。「一寸先は闇。1年以上先のことなんてどうなるかわからない」(岸田外相)のが政界の常。自らの指導力で築いた1強体制を基礎に史上最長政権と憲法改正実現を目指す首相にとって、これからの「政局夏の陣」が最大の正念場となるのは間違いなさそうだ。
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