南武線の混雑緩和へ「長編成化」は実現するか

首都圏JRで3番目の混雑路線だが電車は6両

南武線が市内の大動脈である川崎市では、同線の輸送力増強が以前から課題の一つだ。市が2013年に策定した総合都市交通計画には同線の列車長編成化も盛り込まれており、「10年内に着手を目指す事業」と位置付けられている。神奈川県内の市町村などでつくる「神奈川県鉄道輸送力増強促進会議」も、同線の車両増結を要望の1つに掲げている。

また、2016年4月に国土交通省・交通政策審議会の「東京圏における今後の都市鉄道のあり方に関する小委員会」が答申した鉄道網の整備指針にも「例えば相模線、南武線等の輸送サービスの改善に資するプロジェクト等については、関係地方公共団体・鉄道事業者等において、検討が進められることを期待」との文言が盛り込まれている。

国土交通省の2015年度データによると、南武線の最混雑区間である武蔵中原―武蔵小杉間のピーク時(7時30分~8時30分)の輸送人員は4万1750人。これに対して輸送力は6両編成25本で2万2008人分だ。単純計算すると1両あたりの輸送力は146.7人分となり、1両増えて7両編成になると全体での輸送力は25本で2万5675人分となる。輸送人員が同じなら、混雑率は約163%に下がる計算だ。

踏切にはさまれた駅がネック

ホームが踏切ギリギリまである津田山駅(記者撮影)

これまで編成が延ばせなかった理由は何か。JR東日本横浜支社は「編成を延ばすにはホームの設備などをすべて取り替える必要があるほか、踏切の鳴動時間なども変わってくるため大規模な改修が必要になる。車両基地など電車を停(と)める場所も拡張が必要になる」と説明する。

特にネックとなるのは「ホームの直近に踏切がある駅」の存在だ。そのままではホームを延伸できず「踏切道の移設は自治体などの協力をいただかなければできない」(JR東日本)ためだ。実際に南武線の駅を見てみると、たとえば津田山駅は川崎側のホーム端と踏切とが接しており、立川側もホーム端から踏切までのスペースは電車1両分に満たないほど。住宅密集地を走る路線だけに、駅周辺に民家などが建て込んでいる場所も多い。

そのような中で、JRも増発などの混雑緩和策を講じてきた。最近では、車体幅が従来よりも15センチメートル広い新型車両E233系に車両を置き換えることで輸送力の増強を実現した。輸送人員が増える中、2015年度の混雑率が前年度比で5ポイント低下したのは新型車両の効果といえる。

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