アジアの資金移動、テーマは「南から北へ」 最大のリスクは中国
最大のリスクは中国
アジア株は米国株と比べて投資妙味がある。
トムソン・ロイター・エスティメーツによると、米国株の1株当たり利益(EPS)は向こう12カ月の予想平均伸び率が9.6%なのに対し、アジア新興国の株式は13.5%、韓国株は17.5%、台湾株は18%となっている。
シティのウッズ氏によると、中国株も2桁の伸びが見込まれている。
目利きの投資家を引きつけるのはバリュエーションだけではない。
これらの国や地域では、米国経済の回復と連動するハイテク製品輸出の影響を受けやすい。資源への依存度が高いマレーシアやインドネシアに比べ、資源価格が低下する局面では強みとなる。
ただ、今のところ北部アジアへの投資をためらわせる要因が多いことも事実だ。
最大のリスクは中国。中国当局が銀行業界や労働市場の改善を進めつつ、景気の急減速を回避できるかが注目されている。
米ドルの上昇が新興国通貨の下落を促す為替差損もリスクと認識されている。
来年における米国経済の力強さへの疑念に加え、貿易に依存したアジアの国・地域が米国経済の回復からどれほどの恩恵を受けられるのか、懸念は残っている。
(Vidya Ranganathan記者 Vikram Subhedar記者;翻訳 川上健一;編集 吉瀬邦彦)
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