トヨタ「マークX」の消滅がささやかれる理由

一斉を風靡したハイソカーはどこへ行く

マークⅡ3兄弟から、チェイサーとクレスタが消滅し、そういえば「ヴェロッサ」という異端児もあったが、マークⅡがマークXとなったのは2004年に登場した、現行型の一世代前のモデルからだ。

「Ⅱ」にかわる「X」は、「次世代」や「可能性」を意味するとの触れ込みだった。当初はそこそこ売れていた。たとえば2012年の販売台数は1万8530台、2013年は1万7330台を販売。だが、その後、2014年は1万0232台、2015年は8172台と年を追うごとに減少し、2016年はわずか7033台にとどまった。モデルが古くなれば台数が落ちるのは仕方がないとはいえ、水準として寂しい。

一方の2012年末にモデルチェンジして現行型となったクラウンは、2013年が8万2701台、2014年は4万9166台、2015年4万4316台、2016年が3万9813台、販売台数こそ年々落ちているものの、マークXよりも大差で売れている。

自動車市場の状況は変化した

日本の自動車市場の状況はすっかり変わった。昭和の時代までは、乗用車といえばどれもこれもセダンだった。消費者は排気量や車体の大きさ、価格に応じて自分に見合う車種を選んでいた。

それがいまやミニバンやSUV、コンパクトカーがもてはやされ、海外の多くの地域では今でも自動車のメインストリームであるセダンの市場規模は、日本では縮小の一途。セダンの中で最も売れているのがけっこう高価なトヨタ「クラウン」という、ちょっと奇妙な状況となっている。日本勢に元気がない一方で、日本における高級セダン市場ではメルセデスベンツやBMW、アウディといったドイツ勢をはじめとする輸入車がますます勢いを増している。

こうした厳しい状況の中で、とっくに整理の対象となっていてもおかしくないマークXだが、残されてきたのにはそれなりの理由がある。

まず、クラウンやカムリとは違う客層を想定している。たとえば、クラウンは伝統的な価値観とともに、新技術にも高い関心をもつ高級セダン志向層。マークXは、FRゆえの操縦性の高さを生かした軽快でしなやかな走りやスタイル、性能を重視する幅広いセダン志向層といった具合だ。

カムリはカローラ店のフラッグシップ車にふさわしい高級快適装備と高い環境性能を備えた、上級ハイブリッドセダンのコアモデル。車体前部にエンジンを積む前輪駆動車(FF=フロントエンジン・フロントドライブ)でもあり、車内空間の広さなどの実用性を求めるユーザーが少なくない。

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