「フィンテックなのに地銀店舗が増加」のナゾ 来店客は激減、地方銀行はどう生き残るのか

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東海地区でも戦いは広がっている。三重県の第一地銀百五銀行は、愛知県への出店を強化、現在すでに19ある支店をさらに最大で6カ店増やし、25店体制とする。

一方、迎え撃つ愛知県の銀行たちも黙ってはいない。今年1月、愛知銀行、中京銀行、名古屋銀行の第二地銀3行は、愛知県と地方創生に関する包括協定を締結、産業振興等を行う。また、隣県の岐阜・三重・静岡にも出店し、貸出を伸ばしている

隣県における平均貸出金利は、愛知県内の1.12%よりはやや高いが、金利の低下速度は県内よりも隣県の方が大きい。対抗上、隣県所在の銀行たちも、金利を下げざるを得なくなっていると思われる。

まさに、仁義なき戦いである。

海外の銀行では閉店ラッシュ

一方、他国では銀行の支店の減少が続いている。フィンテックにみられる技術革新と、低金利・低収益による経費圧縮の流れは先進国共通の悩みである。

特に、日本同様にマイナス金利となっている欧州では、いまや銀行の店舗閉鎖ラッシュである。例えば、フランスのソシエテ・ジェネラルは、2020年までに全支店の20%を閉鎖するという目標を設定している。

金融不安が続くイタリアの銀行はもっとドラスティックだ。第1位のウニクレディトは、2018年までに7000の店舗の1割強に当る800店を、モンテパスキは、2019年までに、約2000の店舗の4分の1に当る500店を閉じる計画だ。比較的財務内容が良い第2位のインテーザでさえ、今後数百の店舗を閉める見通しと最近報じられた。

英国の大手3行(HSBC、RBS、バークレイズ)は、2015、2016年の2年間で1000店舗以上を削減、今後もさらに圧縮する方針としている。あまりにも店舗閉鎖が多いため、英国銀行協会などは、昨年、店舗を閉鎖する前にその影響度を調査しなければならない、というルールを設けたほどだ。

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