「新任管理職」のリアルな悩みに答える一冊 書評:『課長ビギナーのFAQ』(佐々木常夫著)
管理職になって大きく変わるのは、その役割。以前は上司の指示に従って業務を遂行することが主な仕事だったが、管理職というのは人を動かして結果を出すことが求められる。
そのため、これまで組織の一員として優秀だった人が、管理職としても優秀かどうかは別の話になる。しかし、逆に管理職になる前はなかなかその能力を発揮できなかった人でも、課長になって目覚ましく成長していくこともあるという。
課長の仕事は4つある
著書によると、課長の仕事はおもに(1)方針・計画をつくる、(2)部下とチームを育てる、(3)コミュニケーションの橋渡しをする、(4)チームとして実績を残す、の4つ。そして、それらを遂行していくためには、その場その場で自身の「人間力」が問われるのが管理職という仕事でもあるという。
本書では、それに伴う課題をクリアし、部下をまとめ上げて上司に好かれる「優秀な管理職」になるためのノウハウが詰まっている。著書は初めて課長となった39歳のとき、妻が急性肝炎で入院した後、うつ病を併発し、以来40回以上の入退院を繰り返すことになってしまう。また、自閉症の長男をはじめ3人の子どもがいたため、毎日18時には会社を出なくてはならかったという。
そのため、必然的に仕事のやり方や部下との接し方も改革しなければならなかった。そういった、家庭と会社を両立させた体験に基づいて書かれているため、本書の中でも業務の効率化やワーク・ライフ・バランスの部分は特に説得力を持って迫ってくる。著者が「第二の会社人生を踏み出したばかり」と言う、課長たちのバイブルとなってくれることは間違いない。
(撮影:梅谷秀司)
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