ホンダ「シビック」日本復活の意義とこだわり 7月に登場する10代目は何がスゴいか

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ホンダ関係者によれば、当初は日本市場に投入する計画はなかったが、アメリカでの爆発的なヒットをはじめ、各市場で販売が好調に推移していることから、日本市場で復活の機運が高まった。

日本市場には4ドアセダンと5ドアハッチバック、高性能版の「タイプR」の3タイプが投入される。セダンとハッチバックの日本仕様は排気量1500CCのターボガソリンエンジン1本。いわゆるダウンサイジングターボでセダンが173馬力、ハッチバックが183馬力の最高出力を発生する。モーターとエンジンを併用するハイブリッド車(HV)やディーゼルエンジン搭載モデルなどの設定は予定されていない。7月下旬に正式発表され、その後、日本国内で売られる見込みという。

「久しぶりにカッコいい」シビックだ!

パッと見てトランクが目立たないデザイン(写真:森川 誠一)

試乗会に用意されていたのはセダンとハッチバックだった。デザインはいずれも斬新だ。1800mmの横幅は5ナンバー枠(1700mm以内)を大きくはみ出す3ナンバーサイズながら、セダンは後ろからパッと見てトランクが目立たない「クーペのように流れるリアデザイン」(本田技術研究所の三部敏宏・四輪R&Dセンター長)。ハッチバックはリアのオーバーハングが短い独創的な造形で18インチの大径ホイールが目を引く。

今年41歳の記者個人としては1991~1995年に「スポーツシビック」の通称で売られていた5代目シビック(EG型)が歴代で最もカッコよかった記憶がある。その次に登場した6代目以降のシビックのデザインは「あまりカッコよくない」という評価だったが、10代目は久しぶりに「カッコいいシビックだ」と感じた。車内空間も運転席回りをはじめとして近未来的。9代目モデルよりもシートのヒップポイントを20mm下げたということで、運転席に座るとスポーティな感覚がある。

ステアリングに対する反応は極めて良好(写真:森川 誠一)

豊富なレース経験を持ち、本記事の共著者である森川誠一氏とともに、袖ケ浦フォレストレースウェイの本コースで、10代目シビックを存分に走らせてみた。以下は森川氏による試乗リポートだ。

1500ccのターボエンジンは、ホンダ特有のVTEC(可変バルブタイミング・リフト機構)ながら、高回転まで回るタイプではない。回しても6500回転ぐらいまでで、その代わりに、低回転でも過給がかかるターボで小排気量のトルク不足を補っている。絶対的に速いとは感じないが、アクセル全開時でも苦しさを感じさせない加速を見せる。2000回転前後での巡航時の静粛性も優れている。コンパクトカーに搭載されるような1000~1300cc級の低排気量なエンジンに比べて運転しているときのストレスは明らかに少ない。

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