「渡辺」「渡部」「渡邊」「渡邉」の知られざる真実 安倍首相の「アベ」は阿部と一体何が違うのか
高信氏がかつて調べたデータによれば、渡辺姓の「ナベの字」は少なくとも38種類あるという。その“ナベ”の字は一般的な「しんにょう」と点が2つの「にてんしんにょう」や、つくりの上の部分が「白の字」と棒が1本多い「自分の自」、さらに、その「自」の横棒が繋がっていたり、離れていたりと違いがマニアックなものばかり。
その多くなった理由には諸説あるが、主に明治時代、渡辺家の本家と分家を識別しやすくするために“ナベ”の字を変えていった説が有力だという。ちなみに、渡辺はおよそ109万人、渡部(※わたべ含む)はおよそ18万2000人、渡邊はおよそ3万3000人、渡邉はおよそ2000人の割合だ。
高信氏いわく“ナベの字”の種類が増えたのには衝撃の理由もあった。実は、昭和40年頃まで戸籍は手書きで登録。そのため、複雑な字形の「ナベの字」は申請した側と戸籍担当者との間で記入ミスが起きやすく、微妙な間違いがそのまま登録されたことも“ナベの字”が増えた理由だとか。
これって常識!? 渡辺さんは節分に豆まきをしない
そして、取材班が「渡辺」姓のナゾを調査していると、驚きの情報をキャッチ。それは、日本の“ある伝統行事”をしないというもの。その行事とは「渡辺さんは節分のときに豆まきをしない」というものだ。
節分の豆まきは日本人にはなじみ深い行事であり、豆をまかないと鬼も邪気もはらえず、無病息災の願いもかなわないはずだが、いったい、これはどういうことなのか?
時は平安時代。京の都で鬼の大物・酒呑童子(しゅてんどうじ)が多くの鬼を従えて暴れまわっていた。その討伐をまかされたのが日本初の渡辺さん「渡辺綱(わたなべのつな)」。彼は鬼と戦い見事、討伐に成功。この一件から鬼たちは渡辺姓を恐れるようになった。それ以来、代々渡辺さんの元には鬼が怖がって近寄らなくなり、邪気ばらいの豆まきも必要なくなったという。
実際、渡辺姓の有志が集まって結成された「全国渡辺会」の副会長・渡辺華靖氏も「先祖代々1000年以上、豆まきをしたことがない」という。
「渡辺さんは節分に豆まきをしない」。この衝撃の事実を一般の渡辺さんに伝えてみると……「えー! 豆まきしたほうが楽しいのに!」「1年に1度のイベントだし、やりたい!」。意外にもみなさん、鬼が怖がっていることもお構いなし、豆まきをしたいというのが渡辺さんの多数派でした。
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