転職に失敗する人と成功する人の決定的な差 ビジネス全般にも共通する6つのNG

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会社の壁を超えて評価される人材がいかなるものなのか――。ここまでのお話で、大まかには把握していただけたと思います。では、最後に、人材を評価する企業側の評価軸の変化について、私なりの分析をお伝えします。企業も人間同様に年を重ね、人生のごとき山あり谷ありのドラマの中を生きています。そんな企業のライフサイクルをざっくりと分けるとすれば、次のようになります。

① 創業拡大期:会社を立ち上げた当初は右肩上がり。事業拡大や成長へとつながる

② 安定期:業績が落ち着き、急激な拡大は収まるが、堅調な上昇を続ける

③ 衰退・変革(再生)期:業績が下がり、イノベーションが求められる。何も手を打たなければ最悪は倒産。抜本的な改革に成功すれば最上志向期を迎える可能性もある

転職を希望する企業がどの段階にあるのかによって、求められる人材の基準は変わってきます。あなたの能力はどの段階にいる企業で発揮されるのかを把握することは非常に大切です。それが合致しなければ、優秀だという評価は得られたとしても、適格な人材として仕事を進めることは難しくなります。

拡大期に必要な「What構築」人材

そこで、段階ごとに求められる能力を具体的に挙げてみましょう。①の段階にある企業は、拡大期ゆえに多様なビジネスプラン、新たな価値観が求められます。成長の途中過程なので人員的に満たされていないこともあり、1人何役もこなせる能力が求められます。私はこの段階で求められる「何(What)をすべきか」を独自の思考から求めていく力を「What構築能力」と呼んでいます。

『会社の壁を超えて評価される条件』(徳間書店)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

続いて②の段階。現状を維持し続けるには、組織を潤滑に動かすために必要な人間関係の構築力が重視されます。堅調に組み立てられた流れを「いかに(How)そつなくこなしていくか」の能力、私はこれを「How能力」と称しています。この時期の企業には個性の強い「出る杭(くい)」(創造力が強い)タイプは疎んじられる傾向にあるといえるでしょう。

最後に③の段階。安定期での成功法則を抑えつつも、新たな価値の事業を生み出していかなければなりません。②で求められたHow能力に加えて、①で重視されるWhat構築能力を持つ人材が評価されます。①との差異は、コスト削減をしながらイノベーションを求められるということです。

自身の能力がどこで発揮されるもので、どういった状況にある会社において求められるものか。それを客観的に把握しておくことこそ、勤務している会社が「いざ」という事態を迎えたときの備えとなるのです。

武元 康明 半蔵門パートナーズ社長

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たけもと やすあき / Yasuaki Takemoto

1968年生まれ。石川県出身。日系・外資系双方の企業(航空業界)を経て、19年に及ぶ人材リサーチキャリアを持つ。経済界と医学界で活躍する世界有数のトップヘッドハンター。2003年10月サーチファーム・ジャパン設立に参加、常務。2008年1月社長、2017年1〜3月会長を経て現職。

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