外為取引急増で欧米銀行のシェア争い激化 人材も引く手あまた

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

薄い利幅

外為取引は政策の動きや資本面での取り扱いから銀行にとって有望な分野ではあるが、妙味が大きい事業だとはとても言い難い。通常の取引の利幅は1ドル当たりわずか0.01ドルと薄く、しかも銀行はシェア獲得のために価格を引き下げている。

コアリションによると、昨年の大手投資銀行のフィクストインカム部門の収入に占める外為取引の比率はわずか8%で、2008年の36%から低下した。バークレイズによると、上半期に急増した取引高も第3・四半期に入ってからは24%減少している。

しかし単に新たな規制で他の分野の成長が見込めないという理由だけでも、多くの銀行にとり外為取引は魅力的なビジネスだ。

国際的な規則は銀行に、損失に対して十分な資本を積むよう義務付けているが、外為は他のフィクストインカム商品よりもリスクが小さい扱いとなっている。コアリションのクズネツォフ氏によると、これは外為取引に関連する資産が基本的にキャッシュであるためで、フィクストインカム関連の取引事業の大部分から撤退したUBSですら外為取引は残した。

人材は引く手あまた

幹部人材の調査などを手掛けるオプションズ・グループのマイケル・カープ最高経営責任者(CEO)によると、銀行はフィクストインカム部門の多くで人員を削減する一方で、外為については事業を拡大し人材を求めている。

昨年以来、大手行が外為取引事業強化のためにライバル行から人材を引き抜く動きが続いている。春にはバンカメがゴールドマンからジム・コールトン氏ら2人を引き抜き、5月にはJPモルガンがロイヤル・バンク・オブ・スコットランドで海外支払システムを設計したロン・カーポビッチ氏を採用した。

コンサルタント会社シフト・フォレックスの共同創設者のマシュー・ミラー氏によると、大手銀の外為取引部門の適切な人材がいないかどうか問い合わせの電話が多く寄せられており、「リテールと機関投資家の両方で人材が必要になっているようだ」という。

(David Henry、Peter Rudegeair記者)

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事