トランプが最初の100日を自画自賛する根拠

対北朝鮮圧力では中国との連携で成果

トランプ政権が、そんな中朝関係を変えてしまうほど、北朝鮮に圧力をかけるよう中国に迫るか否かは、今後の展開を待つことになる。仮にそういうことになったとき、中国はどう対応するのだろうか。おそらく中国はロシアに接近するオプションも考えるように思う。

中国の奥の手はロシアと接近することだ。それはアメリカにとってはまったくの手詰まりになる。米軍のシリア攻撃以来、アメリカとロシアの関係は険悪となっている。トランプ氏とウラジーミル・プーチン氏の接触もまったくありえない状況にある。

北朝鮮をめぐる新たな国際政治ゲーム

中国がロシアに接近するような事態になったとき、北朝鮮をめぐってまた新たな国際政治ゲームが展開することになる。そんな国際政治ゲームの中で存在感を発揮するのはほかでもない。日本の安倍晋三首相だ。

トランプ大統領と安倍首相とは相性もいいし、ここへきて電話会談などを通じて両人の親密度は確実に高まっている。安倍首相自身、トランプ大統領との個人的な信頼関係の深まりには自信をもっている。

その安倍首相はロシアのプーチン大統領とも太いパイプをもつ。4月27日、両首脳はモスクワで会談し、共同記者会見でプーチン氏は「日本は重要な将来性のあるパートナー」と強調、安倍氏も「新しいアプローチを通じ、両国の信頼を増進させ、2人の間で平和条約を締結したい」とエールを交換した。

このモスクワ会談に先立ち、安倍首相は4月18日に来日したマイク・ペンス米副大統領に、27日からロシアへ行くことを伝えたうえで、米ロ関係改善の仲介をしたい旨の意向を表明したという。ペンス氏は、シリア情勢をめぐって米ロが対立する中で、同盟国日本がロシアと接触することに反対せず、賛意を示したという。

現実には、米ロ間の隔たりは大きく、安倍首相が両国の橋渡し役を演じるのは容易ではない。シリアの情勢次第では両国の関係はさらに悪化する可能性もある。トランプ大統領自身、プーチン大統領との接触を急ぐ気はさらさらないに違いない。

北朝鮮問題についても米ロの立場は必ずしも一致していない。北朝鮮への圧力強化で中国が北朝鮮向け貿易や石油供給を制限する可能性が皆無ではないという情勢下で、ロシアはこの5月にウラジオストクと北朝鮮の羅先との間で貨客船「万景峰号」を就航させる予定だという。国連決議による対北朝鮮制裁の厳格な履行を求めるトランプ政権など各国の反発を招く可能性は十分ある。

そうした北朝鮮をめぐる米中「連携」や、その間隙を突くロシアの動き、さらに米ロ対立の新展開など、新たな国際政治ゲームに日本がどうかかわっていくか。安倍外交の真価が問われるところである。

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