雅叙園「猫アート展」が猫好きを魅了するワケ 東京都有形文化財の「百段階段」が会場に

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彫刻家のはしもとみお氏による木彫りの展示作品(筆者撮影)

空前の猫ブーム。「ネコノミクス」の造語が定着するほど、猫に関する消費が増えている。ペットショップだけでなく、グッズやイベント、猫を目玉にした観光など多岐にわたり、その経済効果を一つひとつ調べてみることは困難だが、テレビCMで猫の登場回数が増えている例からしても、影響の大きさがうかがえる。

“老舗”の看板を背負う都内ホテルもそのご利益にあやかるべく、猫に着目したイベントで集客を狙っている。

4月26日から5月14日までホテル雅叙園東京で開催されているのは「福ねこat百段階段」展。猫がテーマというだけなら最近では珍しくない。しかしこれは、昭和初期から残る由緒ある建物と、現代アートの異業種コラボレーションということでも、注目を集めている。

会場は有形文化財の「百段階段」

ホテル雅叙園東京は1928年「芝浦雅叙園」として創業、1931年に現在の地、目黒に移転。総合結婚式場の先駆けとも言われる「目黒雅叙園」としてその歴史をスタートさせた。しかし2002年の経営破綻後、投資ファンドや国内大手不動産デベロッパーなど地所の所有者が転々とし、その歩みは複雑となる。

現在は米ラサールインベストメントマネージメントが設立した特別目的会社所有の下に、大手ウエディング事業のワタベウェディングが運営を行っている。今年4月1日には、86年ぶりに施設の名称を変更するとともに、リブランディング(ブランドの再構築)や大々的な客室リノベーションを行い、装い新たにスタートした。

今回の展示会では、絵画、立体、陶芸、人形、彫刻、写真など6つのジャンルで、猫がテーマの作品約1000点が展示される。舞台となるのは、昭和初期に建築された「百段階段」と呼ばれる木造建物だ。

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