笑うソフトバンク、ネット企業決算の明暗 ガンホー躍進、ヤフー堅調。その他企業は元気がない
インターネット業界で大きな変動が起きている。大手各社の決算で、明暗がハッキリと分かれているのだ。
「明」の主役はスマートフォンゲーム「パズル&ドラゴンズ(以下、パズドラ)」が大ヒット中のガンホー・オンライン・エンターテイメントだ。2013年4~6月期の売上高は前年同期比11倍の437億円、営業利益は同34倍の265億円を計上。業績急拡大のほとんどがパズドラのヒットによるもので、7月の単月売上高も前年同月比13倍の135億円を見込む。
この好決算の恩恵を受けているのがソフトバンクだ。ソフトバンクは4月、ガンホーを連結子会社化している。このとき、ソフトバンクBBを通じて保有するガンホー株を再評価したことで、4~6月期の営業利益に約1500億円の評価益を計上した。ガンホー自体の利益も合わせれば、ソフトバンクの同四半期連結営業利益3910億円のうち約45%がガンホーによるものだ。つまり、ソフトバンクは長らく好決算を続けてきた連結子会社のヤフーに並ぶ、二人目の孝行息子を手に入れた。
ヤフーの決算も好調だ。4~6月期の売上高は前年同期比19%増の923億円、営業利益は同15%増の486億円だった。売上高から純利益まで3四半期連続二ケタ成長を達成したのは6年ぶりである。
好調を支えているのは広告収入だ。特にプロモーション広告と呼ぶ検索連動型やユーザーの嗜考に合わせたテキスト、画像広告が伸びている。ヤフーは12年4月に経営体制を刷新。意思決定を迅速化する「爆速」をスローガンに掲げており、その結果が収益に結び付いている。
結果として、ソフトバンクの直近四半期に対しヤフーの貢献分は12%を占める。ガンホーの貢献分と合わせれば約6割に上り、この2社はソフトバンクにとって欠かせない存在となっている。
ネット系大手6社の決算を見てもこの2社は上位を独占している(下図)。要するにソフトバンクグループが明暗のうちの「明」を独占しているのだ。
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