開業まであと2年「おおさか東線」工事の現場

新大阪-放出間の建設はどこまで進んだか

これに伴い、新大阪駅構内では線路配置の大幅な変更が必要になった。時には深夜の営業列車をバスに代行しながら6回の線路切り替えを実施し、おおさか東線のホームを確保した。ちなみにこの変更によって、2023年の開業を目指して大阪駅の北側で建設が進む新駅、北梅田駅(仮称)への乗り入れも可能となった(実際に乗り入れを行うかどうかは検討中)。

同様に、梅田貨物線との分岐部分では、まず既存線の外側に新たな線路を敷くスペースを確保。1線ずつ順番に線路をずらしながら、おおさか東線の上下線が割り込むスペースを生み出していった。

旅客列車はもちろん、貨物列車の大動脈でもある東海道本線は、夜間もひっきりなしに列車が通過する。安全を確保しながら少しずつ作業を進め、これまでに約5年をかけて8回の切り替え工事を実施。今後さらに2回の線路切り替えを行い、ようやくここの工事は完了となる。新線の建設は、膨大な年月と綿密な準備の賜物なのだ。

公共交通空白地帯の期待

西吹田駅(仮称)の改札内コンコース部分。柱の向こう側に改札機が設置される(筆者撮影)

西吹田駅が設置される吹田市南吹田地区は、周辺に鉄道駅がなく、これまで公共交通の空白地帯だった。それだけに、地元の期待は大きい。大きな駅前広場や東海道本線をくぐる周辺道路の整備も、駅の開業をまちづくりの起爆剤にしたいという、地元・吹田市の気持ちの表れといえる。

一方、大阪の中心部から放射状に延びる各路線を環状につなぐおおさか東線は、沿線地域だけでなく周辺の人たちの移動をも大きく変えることになるだろう。開業を2年後に控え、いよいよ駅舎工事も本格化してきたおおさか東線の北区間。同線が人の流れを変え、沿線に活気をもたらす日が、今から待ち遠しい。

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