3位に表された三菱商事は、「財閥系」であることが評価されている。三菱グループという企業集団の中核企業であることに加え、長い歴史を持っていることが好感されている。
「五大商社、財閥系の中でも、三菱ブランドが大きいと感じたから」(大阪大学、文系)、「天下の三菱財閥の主要企業だから、優秀な人も集まってくる」(小樽商科大学、文系)、「財閥の中でもトップの地位と商社という高学歴でエリートがよく行きそうな業界だから」(立命館大学、文系)、「三菱グループの中核企業であり、就活生あこがれの商社だから」(小樽商科大学、文系)、「総合商社は人気であるイメージがあるため、その中でもとりわけ歴史が深く名が知れていると感じるため」(法政大学、文系)。
4位の全日本空輸(ANA)に対するコメントを読むと、他の企業の理由とニュアンスが異なる。まじめな意見もあるが、イメージ先行で、「何となく」書いた人が多いように思える。キャビンアテンダント(CA)を志望する女性が多いようだ。
学生から見た企業のイメージとは?
「航空は空と人に関わる仕事で、高いコミュニケーションスキルと、突然の事故などに対する臨機応変な対応が必要になるから」(淑徳大学、文系)、「航空業界では業績トップで、英語や振る舞いが重要視されると感じるからです」(近畿大学、文系)、「大手の航空会社でキャビンアテンダントの華の会社だと思うから」(三重大学、理系)、「倍率が高そうだから」(聖心女子大学、文系)、「広告でのイメージ」(福井大学、理系)、「自分の友人がCAでANAを目指しているから」(共立女子大学、文系)、「テレビでよく宣伝しているから」(福井大学、理系)、「何となく大手だから」(鎌倉女子大学、文系)。
5位のトヨタ自動車の得票数は43人だが、理由を読むと、学生は本当にトヨタを高く評価していることがわかる。他の企業では理由の中に、「優秀な学生が集まる」という噂話、「高い給料」というおカネ目当て、「業界一位」という国内シェアなどがあるが、トヨタの理由では皆無だ。
以下に紹介する理由で、共通している単語がある。それは「世界」。エリート企業はたくさんあるものの、あくまでも国内での話。トヨタ自動車だけは「世界企業」として認知されている。
「世界でも技術力はトップクラスで、優秀な自動車メーカーであり、優秀な学生以外はとらないというイメージがあるため」(大妻女子大学、文系)、「国内だけでなく、世界で有名」(愛知淑徳大学、文系)、「世界的にも有名で名をとどろかせているから」(岐阜経済大学、文系)、「倍率が高い、世界トップ企業」(筑波大学、理系)、「最も世界に通用しそうなイメージなので」(東京農工大学、理系)、「トヨタが世界的にも大きい企業だから」(名古屋大学、理系)、「世界にも名が通る超有名企業だから」(三重大学、文系)
世界企業として評価されているトヨタ自動車だが、投票者の大学分布をみると、東海地区の学生の割合が多いのが気になる。世界企業にもかかわらず、日本国内ではまだまだ「全国区」になりきれていないようである。
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