地方公務員女子が金融機関の餌食になる理由 預けた500万円が、知らぬ間に300万円に
もちろん、金融機関のおすすめ商品がすべてよくないといっているわけではありません。しかし、金融機関もボランティアで事業を行っているわけではないので、利益を出さなくてはいけません。当然、窓口に座っている職員の人たちは、毎月「売り上げ目標」という数字を持たされています。読者の中にも営業のノルマを背負って仕事をしている人もいると思いますが、ノルマを達成するためには、利益が高い商品を提案してしまうのが人情というものです。
一方、金融機関にとって利益が高い商品というのは、私たち消費者側にとってはどうでしょうか?
金融機関が儲かるということは、それだけ余計なコストを私たちが負担している可能性があるということです。それなのに、金融商品を購入するときに、つい「いくら儲かるか」という「表面的な利回り」だけに注目をしてしまう人が、あまりに多いのです。
金融商品を選ぶときのいちばん大切なポイントは、何でしょうか。利回りではありません。たとえば投資信託であれば、「販売手数料」「信託報酬」「解約手数料」などのコストです。この手数料がどれくらいかかるか、理解していますか? いくらすばらしい商品でも、コストが高いとコストを上回る成績を残すのは至難の業です。コスト負担が重い商品は、私たちにとっては良い商品とは呼べないものが多いのです。残念ながら、金融商品のうち、8割〜9割は、私たちにとって良い商品とはいえないでしょう。
金融機関の餌食にならないために、おカネの勉強を!
E子さんが購入した商品を拝見したところ、やはり、コストが高く、しかも金融機関の営業マンが言うほど、運用成績も順調とはいいがたいものでした。しかも、初心者のE子さんが購入するには、リスクが高すぎる商品だったのです。
金融商品を購入するときには、よくわからないから「お任せ」や「人気商品は何ですか」というフレーズがいちばん危険です。「お任せ」というワードは金融機関にとっては「営業成績を上げるための稼ぎ時がきた」ととらえられてしまいます。また、「人気商品」という言葉も曲者です。自分たちにとって、利益(消費者にとって不利益になる可能性)が大きい商品を意識して売っているから、結果として「人気」になっているに過ぎないのです。
金融商品の簡単な仕組みやコストなどについては、基礎レベルの「マネー本」を1冊読むだけで十分学ぶことができます。例えば「働く君に伝えたい「お金」の教養」(著者:ライフネット生命の会長・出口治朗さん)や「お金に強くなる!ハンディ版」(著者:経済評論家の山崎元さん)の本がオススメです。
商品を購入する前に自分でもある程度勉強して理論武装し、窓口の方に質問できるくらいになりましょう。勉強していることが伝わると、自分にとって不利益になるような商品を提案される確率は、ぐっと減ってきます。
E子さんのように職業が安定していて、貯蓄がある人こそ金融機関の勧誘を受けやすいので、積極的におカネの勉強をしていきましょう。
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