6度の延期を経て開業、台湾「空港鉄道」の実力

新幹線に次ぐ日本企業連合の大プロジェクト

「直達車」の車内(筆者撮影)

電車は川崎重工業と台湾車輛で製造されたステンレス車両。外観は2タイプとも似ているが、普通車は青いラインの4両編成、直達車は紫のラインで台北駅側先頭車1両を荷物専用車とした5両編成となっている。普通車は硬いプラスチック製座席のロングシートだが、直達車はクロスシート車。出入り口付近には荷物スペースが設置されているほか、車内に設置されたモニターで飛行機の出発時刻などを確認できる。全線で台湾初の4GFreeWi-Fiも利用できる。

桃園空港第2ターミナル駅の様子(筆者撮影)

列車は台北駅を出発後、しばらくすると地上に出て高架線を走る。直達車は台北駅を出ると、途中停車駅は2駅のみで桃園空港第1ターミナル、続けて終点の第2ターミナルに到着する。第1・第2ターミナルとも駅は地下にあり、エスカレーターなどで搭乗フロアへ簡単にアクセスできるため便利だ。

空港輸送だけでなく通勤路線にも

空港から先、終点までの区間は普通車のみの運転で、高速鉄道の桃園駅はこちらの区間にある。空港から環北行きの普通車に乗り「高鉄桃園駅」で高速鉄道に乗り換えれば、台北を経由せずに台中や台南、高雄などへ向かうことが可能だ。高鉄桃園駅は高速鉄道の駅とエスカレーターで直結しており、乗り換えは簡単。駅前には大型のアウトレットモール「グロリア・アウトレット」もあり、桃園MRTの開業によりさらに発展していきそうなエリアだ。

アジアでの空港連絡鉄道は、香港、北京、ソウル、クアラルンプール、バンコクなどで開業しているが、桃園MRTは空港利用者のみならず、沿線の通勤・通学客の利用も見込まれている。沿線には途中の林口駅が最寄りの「三井アウトレットパーク」をはじめとした商業施設のほか、大学や病院もあり、MRTの駅開設が周辺の開発にも大きな力となっている。今後は現在の終点、環北から台湾鉄路の中壢駅まで2駅分の延伸も予定されている。

台湾新幹線に続く、日本による台湾での大型の鉄道建設プロジェクト。空港アクセスの利便性向上に加え、地域の発展に寄与する新路線として成功することを祈りたい。

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