定年後、年収が激減しても夫婦でもめない法 「家庭内マネー戦争」を事前に回避するには?

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定年になって年収が減ると、夫婦で「難しい事態」を招く可能性がある。もし年収が減っても、もめない方法がある(写真 : プラナ / PIXTA)

「定年」は、サラリーマンである以上、いずれやってくる。この記事を読んでくれている読者の皆さんの中には、まさに定年を迎えようとしている方もいらっしゃるだろうし、たまたまタイトルを見て「読んでみようか」と思った若い読者の方もいるかもしれない。今からするお話は、定年を迎えつつある読者が主な対象ではあるが、夫婦の年齢はこの際関係なく、円満な夫婦生活、家庭を続けるうえでの鉄則なので、ぜひ読んでいただきたい。

夫婦で「セミナー」に参加すると、もめずにすむ

「おカネ」というものは、家族間はもちろん、ましてや夫婦の間では、日頃はあまり口にしないものだ。なぜだろうか。すぐに思いつく理由は2つ。1つは必要がないから。もう1つは、なんとなく「はしたない」と思うからだろうか。

しかし、「定年」を迎えるにあたり、おカネのことをきちんと確認し、開示しておくことは欠かせない。

私はかつてライフプランセミナーの講師として、多くの企業や団体でお話しさせていただいたことがある。こうした場所で「定年前セミナー」が開催される場合は、「夫婦での参加」を奨励しているケースが多い。セミナーでは多くの場合、まず公的年金の説明から始まり、会社の退職金・年金制度の話をした後、実際に退職する本人に支払われる退職金や年金の見込み額まで伝える。さらに、定年後に予定している生活水準や、イベント(リフォーム費用など)が賄えるかどうか、キャッシュフロー表を作ってもらうところまで行うのが一般的だ。だいたいの場合、短くて半日、長ければ「1日コース」だ。

私の経験では、こういう場で真剣に電卓をたたき、不明点や疑問点など、とことん細かいことまで質問するなど、積極的に取り組んでいるのは往々にして奥様である。特に、専業主婦の場合は「自分の老後を支えてくれる大切なおカネの話」なのだから、当たり前である。一方、ご主人側からすれば、ごまかすこともできず真実が明らかになってしまうわけだが、定年前後になって、家の中で、妻に退職金や年金のことを詰問されオタオタすることもなくなるので、かえって大いに助かるというような風情だ。

では定年にあたっては、具体的に夫婦でどんな話を詰めるべきだろうか。

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